後立山鹿島槍から五竜岳

山行日:2002年8月5日〜6日(1泊2日)
1日目コースタイム
一日目:登山口(6:10)→ケルン(7:00 7:10)→種池山荘(9:10 9:30)→爺ヶ岳(10:20 10:40)→冷池山荘(11:30 12:00)→
布引山(13:20 13:30)
→鹿島山頂(14:10 14:30)→キレット小屋(16:10)

仕事を終え例年通り京都駅より22時12分発の夜行列車急行ちくまに乗る。
目的地は4年前に雨で散々な目にあった後立山の鹿島槍と五竜岳である。
ここ1週間平均睡眠時間が5時間程だったので車内ではさぞ熟睡できると期待していたが、
快晴の空の下で鹿島槍の山頂に立っている夢を見ることもなくうとうとしている間にちくまは松本に到着。
乗り換えの急行アルプスを待つ間ホームで奥さんの作ってくれば弁当をほおばる。
満腹間からかアルプス号車内ではアッと驚く熟睡である。これも奥さんのおかげと信州より感謝。
信濃大町からはバスで扇沢まで入り、10分程戻って登山口に6時に到着。
舗装道路を戻りながら登山口でバスを停めてくれればいいのになあと思うのは私だけであろうか!
柏原新道登山口

登山口にはすでに大勢の人がおり、これからの登りに備えて体操をしている人やお弁当を食べている人など色とりどりである。
準備を整え6時10分登山口を出発。普段は気儘登山の為コースタイムを取ったことはないが、私が参加している男山山歩会の
活動データ になればと今回はコースタイムを付けての登山を試みる。
柏原新道は取り付きより結構な急登であり、夜行明けの体には少々きつい。もみじ坂を一汗かくまではと踏ん張り、7時小屋の見える
ケルンの立つ休憩ポイントに到着。
もみじ坂の急坂 ケルンの立つ休憩ポイント 疲れを癒してくれる花
もみじ坂は良く整備され歩き
やすいが、つづら折りの急登
が続き飛ばしすぎると後半の
バテにつながるので、自分の
リズムで登ると良いでしょう。
樹林の間からは扇沢を挟んで
針の木岳の稜線が時折顔を
見せてくれます。
ダケカンバの向こうに針ノ木岳 石畳と呼ばれる雰囲気のある登山道 爺ヶ岳へ稜線
ケルンの休憩ポイントからは樹林の中を進み、小岩が敷き詰められているような
石畳と名付けられた道をリズム良く通過し、前方に爺ヶ岳の稜線が見え始めると
まもなく種池山荘に到着である。
ケルンのポイントから2度ほど小休止し、赤い屋根の種池山荘に9時10分到着。

さすがに1年ぶりの北アルプスはキツク最後の階段状の登りでは息切れ気味で足が重くなっている。
種池山荘への最後の登り

山荘では多くの登山者が休憩を取っており、目の前に迫る剣立山連峰、爺ヶ岳のすばらしい山容に
しばし 目を奪われているようだ。20分程のんびりし山荘のスタッフに写真をとってもらい、前方に
聳えるように鎮座している爺さんに向かって足を進める。

爺さんへ登りはザレ場のダラダラ歩きで、結構時間がかかり見えている頂上になかなか着かない。
遮るもののない登山道はお日様の出迎えで体力の消耗が著しく老体には相当きびしい登りである。
天候の悪い日にはよく見かける雷鳥も今日は這松の中で昼寝中のようだ。何度も立ち止まりながら
50分程かけて辿りついた頂上は、今までの苦労を忘れさせてくれるすばらしい展望で私を迎えてくれた。

北にこれから向かう鹿島槍、西に迫力ある剱立山連峰、南に山並みを越えて槍穂高、そしてはるか東南
には南アルプスと八ヶ岳の間に富士が! このまま溶け込んでしまいたい最高の気分である。
    種池
爺ヶ岳より剱立山連峰 槍穂高連峰 鹿島槍ヶ岳
山頂で展望を楽しんだ後、いったん鞍部に下り北峰にトラバースにぎみにつけてある冷池への縦走路を
進む。左に剱岳を、前方に布引から鹿島の稜線を見ての快適なトレッキングである。

冷乗越へのザレ道を慎重に下り、赤岩尾根の分岐を過ぎると一旦樹林帯に入り抜け出ると冷池山荘に
到着である。前回は唐松から縦走しここで1泊お世話になったが、今回は水の補給をお願いする。
この冷池山荘をベースに鹿島槍登山をする人が多く、鹿島ファンや後立山を縦走する登山者には重要な
山小屋となっている。
冷池への縦走路
小屋でアイスクリームを食べながら30分程休憩し、鹿島槍へと向かう。
鹿島槍にはまず布引山へのきつい登りを克服しなければならない。ザレ場の登りで高度を稼ぐのがきつく
何度も止まっては上にめをやり、もう少しもう少しと自分自身に気合を入れての登りとなる。
ちょっとバテ気味で布引山に到着するとさらに前方に鹿島への最後の登りが控えており、まだかと思う気持
と「ようしあとちょっと」と思う複雑な心境になりながら最後の登りにチャレンジ。

冷池山荘を出ておよそ2時間10分待望の鹿島槍山頂に到着。あいにくガスで展望はもう一つであったが

山頂に立った喜びと満足感で、扇沢よりもくもくと登ってきた疲れもすっとんでくれたようである。

鹿島槍への登り

山頂ではパトロールの人と話しをしたり、ご夫婦の登山者の方と話をしたりと鹿島槍頂上を十分に楽しむ。
剱が顔を見せてくれるのを20分程待つが今日はもうお休みのようなので、吊尾根経由でキレット小屋へと向かう。
向かう。
山頂より岩場を下り吊尾根を15分ほど進むと北峰とキレット小屋への分岐だ。ガスの北峰へは寄らず左に
道を取りキレットへと下降を始める。
鹿島山頂までの穏やかな道とは打っ変りガレ場と岩場の連続である。
圧巻は岩場のトラバースが続く八峰キレットで、高度感があり緊張を要する所である。
足元と手元に注意し、3点確保の基本でキレットを通過し本日の宿キレット小屋に16時10分到着。。

岩場の間に建つキレット小屋
梯子とクサリ場の続くキレット クサリ場のトラバース キレット上部より五竜岳を望む。
北アルプス縦走の満足感を味わえる
瞬間である。
八峰キレットはクサリと梯子でがっちりガードされていますが、3点確保を基本に
怖がらす慎重に行動すると良いでしょう!
   
1日目コースタイム
登山口(6:10)→ケルン(7:00 7:10)→種池山荘(9:10 9:30)→爺ヶ岳(10:20 10:40)→冷池山荘(11:30 12:00)→
布引山(13:20 13:30)
→鹿島山頂(14:10 14:30)→キレット小屋(16:10)