世界遺産大峯奥駆道縦走
最高峰八経ヶ岳から釈迦ヶ岳へ近畿の屋根を歩く

山行日:2012年10月29.30日
天候:初日ほとんど曇りでガス 2日目:ほとんど晴れで時々曇り
メンバー:雨男ミーとマン氏 山休
コース:行者還トンネル西口(9:19)→大峯奥駆道出合(10:24)→聖宝の屋跡→弥山小屋(12:18 13:04)→八経山頂(13:28 13:34)
→明星ヶ岳(13:51 13:55)→五帖峰→七面山分岐(16:12)→楊子ヶ跡小屋(16:33)

かねてより雨男の相棒より誘われていた大峰縦走を決行すべく、29日午前5時30分京都八幡市を出発し登山口に向けて車を走らす。
もちろん年長者である山休は当然のごとくロングドライブにそなえて助手席に腰を下ろす。
途中のマクドでコーヒータイム、黒滝道の駅で休憩しみたらい渓谷の紅葉を車中より楽しみ9時10分登山口である行者還トンネル西口に到着。

奈良のヘソ黒滝道の駅 ミタライ渓谷 行者還トンネル西口

さすがに最高峰八経の人気は高く平日であるが第一駐車場はすでに満車で一つ下に車を駐車して仕度をする。
登山口の木道を渡りしばらく川沿いを歩くと木製の橋がある。ここが弥山への入り口である。
世界遺産大峯奥駆道 トンネル西口登山口 木製の橋が大峯へのに入り口

出だしより木の根の張り出した急な登りが続き、何回か歩いている道であるが
四回分の食料と防寒衣料、寝袋の重みが加わったザックが両肩に重くのしかかり足がなかなか上がらない。

折角の紅葉を楽しむ余裕もないくらいにバテバテで奥駆道出合まで登り着くも
木枯らし1号の影響で風が強くここで休憩が出来ずさらに進んで寒さを避けるように岩陰にザックを下ろす。

出合まで急な登りが続く 見事な紅葉 奥駆道出合

奥駆道に上がると登山道は穏やかになりザックの重みにもなれてすこしづづペースが上がりだす。
先行されていたご夫婦の方と会話を交わしパスさせて頂き、弁天の森から八経ヶ岳展望ポイントのバテ沢テラスへと足を進める。
.
.このテラスからは八経の勇姿が見えるのであるが、先程まで晴れていた空にガスがかかりなにも見えず!
想定通り雨男の相棒が山頂に近づくにつれガスが湧き出てきたのであろう。

*バテ沢テラスとは当サークルのバテ君がここより八経を眺めてもう登れませんとギアアップした場所であり
当然公的な地図には記載されていません。
奥駆道弁天の森付近はおだやかで歩き易い道が続く 雨男の力発揮で八経はガスの中

雨男の同行で天候悪化は想定内ではあったがはるばるの大峯遠征ちと悔しい!
その山休の心を察してか相棒ミーとマン氏は、バテ沢テラスより少し下った場所に鎮座する大峯の開拓者円の行者さんに
深々と頭を下げて天候回復をお願いしているようである。


円の行者さんからは弥山への急な登りとなる
円の行者さんにお願いの相棒 樹林帯のきつい登りが続く

登山道は敷きつめられた木道となり、鉄梯子をヨイショと乗り越えてゆく。
やがてガスにゆれる立ち枯れの中に弥山小屋が姿を現し、この風景も大峯らしいなあと納得し、ザックを下ろす。

延々と続く木道 鉄梯子を登る ガスに煙る弥山小屋

小屋前にはたくさんの登山者の方が食事やお茶休憩などをされており我々もランチタイムに!
カップ麺を食べ、コーヒーで身体を温めて40分程の時間過ごしたあと関西最高峰の八経ヶ岳へと足を向ける。


大峯らしい幻想的な立ち枯れの中を一度鞍部に下りオオヤマレンゲの群生地を抜けて行く。
ちょっとした岩場を越えると最高峰の看板が立つ八経の頂になる。

幻想的な立ち枯れの中を下る 天女花群生地 山頂手前の岩場

自身4度目の最高峰であるが今回は縦走の通過点、ガスで展望のきかない頂を5分程の滞在で明星ヶ岳へと向かう。
鹿ネット沿いをしばらく歩き、頂仙岳、狼平への分岐を左に道をとりシラビソ、トウヒの森をゆるやかに登って行く。

明星ヶ岳は縦走路よりはずれており10分程のアルバイトをして寄り道をしてゆく。
この頂も晴れていればすばらしい展望を期待できるのであろうと思いながら雨男の証拠写真をパチリ!

最高峰八経ヶ岳看板と 鹿避けネット沿いを歩く
頂仙岳と明星ヶ岳分岐 頂へあっさりとした標識 明星ヶ岳にてガスの似合う相棒

縦走路へと戻り大峯らしいトウヒ&シラビソ林を五鈷峰をトラバースするように進むと眼下に光り輝く神仙平が見えてくる。
紅葉が素晴らしくしばらく立ち止まってパチリ、パチリ・・・相棒はその景観に感激の様子。


相棒曰く神仙平は大峯の神々が集まって遊ぶ場所らしい!ほんまかいな!いやほんまと思えるぐらいすばらしい景観である。
大峯の神々が遊ぶ神仙平とカラハッソウ谷・・・ぜひとも訪れてみたい場所である。

五鈷峰を過ぎると空もしだいに明るくなり青空が見え始めてはるかな大台ヶ原も望めるようになる。
舟ノ垰の鞍部を通過し、縦走路を回り道していつかは訪れてみたいアケボノ平、七面山分岐を偵察に斜面の登る。
七面山の指標を確認したあと仏生へ続く笹原の縦走路へ適当に下り返して行く。

*五鈷峰を巻く道は雨の影響で崩れている所もあるので足元に注意!

五鈷峰の岩峰を巻いて行く 五鈷峰 はるかな大台ヶ原
縦走路を離れて七面山偵察へ 七面山への標識 仏生へ続く笹原

縦走路に戻り仏生へ続く笹原の登山道を登ってゆくと夕陽をあびて輝く七面山南壁の絶景を目にする。
穂高の屏風岩や谷川岳の衝立岩、剣のチンネにも勝るとも劣らない垂直の壁は圧巻で相棒の目も点になっている。


若き日に長谷川恒夫氏や加藤保男氏の活躍にロッククライマーへあこがれ、新田次郎氏の「栄光の岸壁」や
「銀嶺の人」を何度も読み返した日々を思い出し何故か胸がジーンとしてくるのを覚える。

仏生へ向かう笹原の登山道 夕陽をあびて輝く七面山

笹原を登り切り少し下ると今日の宿楊子ヶ宿跡避難小屋に着く。
小屋はログハウス風でしっかりとしており、ここに小屋があるのは登山者にとっては非常にありがたい。
暗くなる前に食事を終わらせて夜の寒さに対する準備を万全に!。

楊子ヶ宿避難小屋標識 ロゴハウス風の立派な小屋 きれいな内部

雑炊とポタージュスープのアンバランスな夕食をして外にでると!・・・熊のプーさんの来訪!
暗闇のなかギョロと光る目がジーとこちらを見つめてる・・・ヤバイ!! 相棒を呼び二人でライトを照らして対抗!
プーさんも引き下がる気配がなく1分以上のにら合いが続いたあとようやくのっそりと退散してくれる。ホッ!!


入り口でラジオを夜通し鳴らしながらあるだけ着込んで寝袋に入り寒く長い夜を過ごす。