夜半の猛烈な風と屋根をたたく雨の音に何度も目を覚ます。 小屋全体がゆれているような感じで明日の下山が不安になりなかなか寝つかれない。 数年前の新潟豪雨時の剣、台風の穂高稜線での小屋泊まりを経験しているが、今日の風、雨も勝るとも劣らないない。 相棒の「大丈夫ですか」の声に「まあ大丈夫」と応えるも思わす変な想像をしてしまう。
翌朝目を覚ますと昨夜の心配は杞憂に終りホッとするも濃いガスに覆われて空木への登山道はグレーキャンパスに! 小屋のオーナーさんからも「早めの下山がいいですよ」とご意見をいただき、朝食後木曽義仲の力水で 元気をもらい空木に向けて標高差360mの急な道を登り始める。
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ガスで展望のない急な道を、雨にも風にも負けずに咲いている高山植物に励まされて登ることおよそ50分 第一ピークと岩に書かれた場所に到着する。
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急坂をひらすら登る |
岩を乗り越えるおっちゃん |
第一ピーク |
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第一ピークからは岩場の道となり、はしご、鎖場、ピンフック場を三点支持で慎重にクリアすると2863.7mの頂きとなり 5年ぶりの山頂ポールに挨拶。
山頂はガスで展望がとざされており風も強いので写真を1枚撮ってキバナシャクナゲの咲くザレた道を 直下にある駒姫ヒッツテまで下り、満足、ホッと一息の休憩タイムへ。
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山頂へは梯子、鎖場が連続する |
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山頂 |
キバナシャクナゲが咲く |
駒姫ヒュッテ |
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駒姫ヒュッテのテラスでゆっくりと休憩し、これから下る長い池山尾根に体調を整える。 前回は日帰り縦走で池山尾根の長い下りで心が折れそうになった経験があり、今回は山中1泊と言えトラウマにならないように 登山靴の紐をしっかり締めなおして気合を入れる。
下りをはじめてすぐにチャリーン、チャリーンと心地より鈴の音が耳に響き出す。 下方より女性登山者が一人登って来られたようで、その軽快な歩き方で相当山なれ人だなあと挨拶を交わす。 池山尾根の前半は這松帯の緩やかな稜線を岩のオブジェを楽しみながらのトレッキングである。
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標高が低くなると次第にガスも晴れ出し巨岩と眼下の視界も広がり始める。 |
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這松帯から樹林帯に入ると迷尾根、大地獄、小地獄と呼ばれるちょっとした難所があり、はしご、鎖場を慎重に通過してゆく。 大地獄、小地獄辺りは大峰の大普賢登山道に良く似た感じであり、大峰オタクの相棒も歩き易すそう。
標高が低くなると笹が目立ちはじめて登山道も遊歩道に変わり長大な池山尾根も終わり水場に到着。
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水場では山頂直下で出会い、迷尾根でおっちゃん二人をパスして下られた女性登山家の方が 休憩されておりしばしの山談議を楽しむ。 この女性は駒ヶ根在住で空木岳を裏山にし、すでに80回程登っておられることでその韋駄天ぶりを成る程と納得。 おにぎり、漬物、サンドウィッチまで頂きその美味しさに感激!
そして空木登山口までご一緒させて頂き、車でわざわざ菅ノ台まで送って頂くおまけつきでした。
1時間程の時間短縮ができコマクサの湯でのんびりと過ごし、お勧めのソースカツどんまで賞味できました。
駒ヶ根の韋駄天さんありがとうございました。
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韋駄天さんと談笑する相棒 |
空木登山口 |
コマクサの湯 |
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帰宅すると奥さんの「明るいお帰り」の声あと、予想外の天候で真っ赤に日焼けした顔を見て 「その汚い顔はご近所にあわせる顔がない」の言葉で今年初めてのアルプス遠征を無事終了。シャン シャン!
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今回の山旅で出会った花達 |
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ショウジョウバカマ |
コマウスユキソウ |
ハクサンイチゲ |
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タカネシオガマ |
タカネツメクサ |
ミヤマキンバイ |
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イワウメ |
キバナシャクナゲ |
ミツバオーレン |
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ツガサクラ |
チングルマ |
イワベンケイ |
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アオノツガザクラ |
ハクサンチドリ |
シナノキンバイ |
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キバナノコマノツメ |
ミネズオウ |
コイワカガミ |
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ヤマザクラ |
ゴゼンタチバナ |
イワヒゲ |
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