山行日:2001年8月27日〜28日
1日目:中房温泉⇒合戦尾根⇒燕岳⇒表銀座⇒大天井(泊)
2日目:大天井⇒常念岳⇒一の沢林道⇒ヒヘ平
【一泊二日】

いつものように京都より夜行で北アルプスに向かう。今回の目的地は常念山脈である。
娘が本場アルプスのトレッキング(私より先に本場へ…クソ!)に遠征している為、同行は奥さんである。
この時期の列車は空いており松本までゆっくり眠ることが出来た。
ただ奥さんが私の席まで占領して熟睡していたので、少し身体が痛む。
大糸線の穂高で下車し、タクシ-で登山口の中房に向かう。


6時中房温泉に到着、登山口にはすでに多くの人がおり登山準備をしていた。
中房温泉登山口には、綺麗なトイレと休憩場があり、準備をするには最適の環境である。
また、ここに下山すれば温泉に入って山の汗を流すことも出来る。(温泉は有料)
私達老夫婦登山隊もこれからの急登に備えて、トイレと準備体操の実施だ!

合戦尾根はアルプス三大急登のひとつで取り付きよりハードな急登が連続している。
登り始めておよそ30分、樹林の中つづら折りの道を息も絶え絶えにクリアすると、
前方に明るく開けた第一ベンチが目に飛び込んでくる。夜行明けの老体にはまるで
オアシスのように見える休憩ポイントだ。

中房登山口

第一ベンチでは大勢の登山者が
一息入れており、私達老登山隊も
仲間に入り喉を潤す。

合戦尾根にはちょうど良い所に
4つの休憩ベンチが用意されており
ベンチをうまく利用することで、
急登もさほど苦にならない。

第一ベンチ。 樹林帯の登山道


木製のはしご

第一ベンチで十分休憩と水分を補給し、第二、第三ベンチと進む。30分間隔程のベンチで
小休止しながら合戦小屋に9時に到着。
合戦小屋はスイカが名物で、老若男女の登山者がここでスイカを食べながら急登を登り
きった満足感を味わっている。
ここで食べるスイカはうまい、合戦小屋で食べるからうまいのだろう。

合戦小屋からはハードな登りは無く、10分程で森林限界の合戦の頭だ。
ガスが無ければ槍も見えるのであるが、稜線はガスのカーテンで覆われまだ幕を開けてくれず。
早く登って来いといわんばかりに燕山荘が雲の切れ間より姿を見せている。
ここより稜線に建つ燕山荘まではなだらかな道を花を楽しみながらのんびりと山歩を楽しむ。
10時30分燕山荘到着。そして想像以上の展望が・・・              
目の前に高瀬渓谷を挟み水晶岳を中心とした裏銀座の山々、左手に3,000メートル8座の槍、穂高連峰、そして右手には
花崗岩と這松のコントラストが見事な燕岳が私達老夫婦登山隊を歓迎してくれるかのように素晴らしい姿を見せてくれている。
合戦尾根を登っている間はガスで視界がきかず、展望を半分あきらめていたのであるが、稜線での素晴らしい幕明けに、
私も奥さんもしばし時間をわすれ感動に浸る。

燕山荘にザックを置いて燕岳に向かう。
燕山頂まではおよそ20分程で、
岩のオブジェと這松の間を展望を楽しみながらのトレッキングだ。
燕岳山頂で奥さんとのんびりと山の休日を満喫する。
  
燕岳に咲いていたこまくさ 燕への道と燕山荘
燕岳散歩より山荘に戻り昼食後、大天井岳に向けて雲上の稜線歩きのスタート。
この稜線は夏の最盛期には多くの登山者が槍にむけて歩く表銀座縦走路と呼ばれている。
高低差のない穏やかな道をしばらく進むと道の真ん中に大きな岩が視界をさえぎるように
どかっと座っている。蛙岩(ゲイロ)だ。遠くから見ると蛙が座っているように見える為、
この名前が付いているそうである。蛙岩を左にまいて進み這松帯を抜けると大下りの頭である。
大下りから見る槍はさらに大きく、天を突くようにそびえている。
さわやかな風と高い空、そして常に槍が一緒の稜線歩きに、奥さんも満足そうな足取りである。
大下りの頭


大下りの頭から一度樹林帯に下り、再び稜線へと登り返す。
正面に大天井岳が大きく姿を見せてくれば、まもなく喜作レリーフの
ある切通岩である。切通岩にある鎖場とはしごを慎重に下り、
レリーフに挨拶をして、岩道の急坂を少し登ると槍と大天井への分岐だ。
分岐より右に進む道は西岳、東鎌尾根経由で槍に続いている。
私達老夫婦登山隊は今回左に道を取り、大天井岳に向かう。
分岐からは大天井岳の側面を登ることになり、岩と石の道は結構な急登で
何度も立ち止まりながら少しバテ気味で大天井荘に到着。
大天井岳への縦走路 2922mの槍の展望台大天井岳へは山荘より10分程で、
素晴らしいビユ-ポイントが待っている。
槍との分岐
今日は大天井荘でお休みです