鈴鹿鎌ヶ岳
稲ヶ谷登山よりロクロ谷を遡上し鎌尾根経由で山頂

山域:鈴鹿 登頂回数20回(徹底4回)
山行日:2015年10月15日
天候;晴れも雲多し
メンバー:単独
ルート:稲ヶ谷登山口(9:00)→ニゴリ・ロクロ谷二股(9:27)→垂直の滝→鎌尾根衝立岩(11:15 11:20)
→岳峠→山頂(12:15 13:09)→武平峠(13:39)→稲ヶ谷登山口(14:31)
駐車場:稲ヶ谷登山口 5台程度

鈴鹿山系南部に位置する鎌ヶ岳は、天を突くピラミダルな山容が関西の槍、あるいはマッターホルンと称され
展望の良さと合わせて多くの登山者の方に愛されている人気の山であり、山休のお気に入りでもある。
登山道は三重県側に多くつけられており、湯ノ山温泉を登山口とする長石谷、尾根コース、水沢岳より縦走する鎌尾根コース
宮妻渓谷より登るカズラ谷コース、そしてスカイラインより簡単に頂に立てる武平峠、三ツ口コースなどがある。

滋賀県側も先人達がつけてくれた稲ヶ谷より入るニゴリ谷、ロクロ谷、松山谷、尾根の各ルートがある。
友人が所有する昭和56年版の地図にはニゴリ谷実線、松山谷・ロクロ谷破線の記載があるが、現在の高原地図には載っていない。
今日予定しているロクロ谷は鎌尾根までの標高差約400m 距離約3.2kmのV字谷で小滝、滑滝が連続し、迂回路も取りにくく
踏み跡、テープマークもほとんどなくルートファイティングが必要となるルートである。


午前7時枚方を発車、第二京阪、京滋BP、名神、新名神と走り甲南PAでトイレ休憩。土山インターから桜の名所鮎川、青土ダム湖沿いを走り、
スカイライン雨乞稲ヶ谷登山口に8時45分に到着。今日は雨乞に登る人もいないようで先着の車は無し。

準備をし、スマホ内臓の高原地図にGPS位置情報をセット。これは便利で現在地、歩いているルートが良くわかる。
スカイラインを少し戻って東芝山岳会のプレートの掛かるガードレールを跨いで川原へと下りてゆく。

雨乞稲ヶ谷登山口 ガードレールに掛かるプレート カードレールの裏に手作り梯子

稲ヶ谷からの支流を渡渉し、スカイラインが出来る前の旧道を少し歩いて野洲川川原へと下りてゆく。
前方に見えてくる松尾川と野洲本流の二股の間がニゴリ谷、ロクロ谷ルートへの取り付きである。
稲ヶ谷からの流れを渡渉 旧道を歩く 左…松尾川 右…野洲川本流

以前はしっかりとした中堤があったのであるが数年前の豪雨で流されて跡形も無し。
間より樹林の中を抜けると再び旧道が現れ突き当たりに放置された鹿ネットを目印に下降すると松山谷からの川原である。
川原を遡上すると松山谷であり、ニゴリ谷、ロクロ谷へは横断して樹林帯を直進する。


踏み跡とテープマークに従って樹林を抜けると本流となり渡渉して左岸沿いの踏み跡を歩く。
右岸に崩壊地が見えるところにテープマークがありそれを目印に谷筋へ下りるとここから沢歩きが始まる。

浮石に注意して沢を遡上するとやがて二ゴリ谷とロクロ谷の二股に着く。

野洲川源流部の沢風景…水量が多いときは迂回路あり 二股…左ニゴリ谷 右ロクロ谷
二股より登ってきた谷筋を振り返る 明るいニゴリ谷 薄暗いロクロ谷

ここで一息入れてロクロ谷へと足を踏み入れてゆく。
 
ロクロ谷に入るとテープマークや踏み跡は無く、ルートを選びながら浮石に注意して高度を上げる。

大岩で埋まった谷筋、小滝を三点支持の基本を守りながら乗り越えると岩崩れでボロボロの滝が前進を防ぐように立ちはだっかってくる。
下より見上げて慎重にルートを探ると右側の流れを登るのがベストと岩に取り付く。

大岩と倒木で埋まる谷筋 小滝は三点指示でドボンしないように慎重に通過

滝を登りだすと流れ落ちる水と濡れた岩が厄介でうまくスタンスが取れず苦戦。
ここで滑れば週明けに予定している陽水のコンサートもパーになり、苦虫をつぶした嫁の怖い顔が浮かぶ。
と同時にパワーがみなぎりつま先と指先に力を集中させてなんとか上部へと抜け出て怖い顔が消える。

崩れ滝…左側から登り真ん中流れを三点指示でなんとか抜け出る

上部に抜けると今度は前方に垂直の滝が! これは山休の技量では登れない。
前回もこの滝は遠慮したのであるが、今回も無理をせずに尾根を挟んだ左側のV字の枝沢を迂回ルートに選択。
枝沢は落石による浮石が多く足元が安定せず、上部に行くほど斜度がきつくなり四本足での歩行となる。

崩れ滝より下を見る…高度感満点 垂直の滝 迂回ルートの枝沢

枝沢を抜けてからは苔むした岩が点在する樹林帯をルートを探しながら高度を上げて、右下に見えるロクロ谷へ再び下ってゆく
再び降り立ったロクロ谷上部はナメ滝、小滝が連続し濡れた岩に足をとられないように慎重に登ってゆく。


さらに遡上を続けるとロクロ谷は伏流水となりガラガラの岩ルートへとなり鎌尾根にせり上がってゆく。
樹林の間より光が見えだしザレた急坂を這いつくばるようにして縦走路へと飛び出す。
稲ヶ谷登山口から2時間20分の緊張より解放された瞬間である。

鎌尾根に向けて大岩の重なり合う急な登りと熊避けに同行のくまモン、鎌尾根縦走路の光
後半・・・紅葉の鎌尾根縦走へと続く