午前4時過ぎ周りのざわつきで目を覚ます。すでに多くの人が劔山頂を目指して出発されているようだ。
山荘の外に出てみると空にはキラキラと星が輝き目にまぶしい…快晴だ! 劔小屋からもたくさんのヘッドライトの光が此方に近づいてくる。
今回は最新のヘッドライトを娘より借りて持ってきているのであるが、暗闇の中を歩くのは不安があり明るくなるの待つ。
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光が届きはじめた後立山 |
右のピークが一服劔 |
一つ目の鎖場を先行する登山者 |
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後立山に光が届きはじめた5時20分劔山頂へ向けて歩きはじめる。
最初のピーク一服剱には二つの鎖場を超えると20分程で着く。ピークからは光を浴びはじめた前劔が大きな壁に見える。
一服剱からは一度前剱の鞍部まで下り、ガレ場の登りに入って行く。
浮石が多いので足元に十分注意を払いながら石を落とさないようにゆっくりと高度を稼ぎ大岩を目指す。
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本峰向けて前劔が壁にように立ち塞がる |
前劔への取り付き |
目指す大岩 |
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大岩まで登ってくると前方のニードルまで続く鎖場でツアー登山の方で渋滞しており少々の時間待ち。
半分程の方が登られた頃、ガイドの方より道をゆずってもらい鎖場横の岩場を三点指示で二ードルへとよじ登る。
途中より振り返ると先程通過してきた一服劔が空中に浮かぶように見える・・・絶景だ!
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大岩の下をくぐる |
鎖場を登る登山者 |
一服劔と別山、劔御前 |
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ニードルからはルート4番目の鎖場『前劔』を右廻りでトラバース気味に登っていくと前劔頂となる。目の前に本峰がドカーン!
頂には先行されていた大勢の登山者が休憩されており、山休もこれからはじまる核心部に備えて山荘で作ってもらった弁当を本峰を見ながらパクパク。
標高は3000mに足らずもその圧倒的な存在感は他の山々を寄せ付けず日本一の山であると思う。
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右に巻いて行く |
ルート4番目の鎖場『前劔』…右奥が前劔 |
大勢の登山者で満席の前劔 |
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前劔より望む本峰・・・やはり劔は日本一の山だ! |
大日稜線にかかる滝雲 |
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前剱からは一方通行の登山道となり、少し下って4m程の鉄のブリッジを渡り高度感のある岩峰を巻くようにトラバース。
結構な高度感があり、右側は平蔵谷の枝沢にスパット切れ落ちており緊張感満点で通過すると前劔の門だ。
*ちなみに下山時は前劔の頂きは通らない。
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鉄のブリッジから岩峰のトラバースへ |
足元が切れ落ちており高度感満点! |
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前劔の門からはザレた岩道を緩やかに進むと平蔵の頭の岩場になり、
『エィヤァ』と力任せに岩を乗り越えて頭からはスラブ状の岩場を垂直気味に下降して鞍部に降り立つ。
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前劔の門からは這松帯を緩やかに登る |
平蔵の頭の壁 |
スラブ状の岩場を垂直気味に下降 |
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劔らしさ満点の平蔵の頭 |
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平蔵のコルの岩場をトラバースしてゆくと前方に垂直に見えるカニのタテバイがデーンと立ちはだかってくる。
カニのタテバイは20m程の壁で上部に行く程傾斜がきつく垂直に近くになるので三点指示の基本をしっかり守って登る。
前回の時は北方稜線を抜ける予定だった為、16kのザックを背負って身体を持ち上げるに苦労したのであるが、
今回はサブザックに詰め替えてのアタックなので案外楽に登ることできる。
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平蔵のコル…岩棚のトラバース 奥にタテバイ |
グレートトラバース田中氏の登った平蔵谷 |
カニのタテバイ |
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タテバイを登る登山者 |
途中の岩棚より続く登山者をパチリ! |
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タテバイを抜けても気の抜けない岩場が続き、下山ルートカニのヨコバイ取り付きをでようやく一息。
眼下には登って来た平蔵の頭、前劔、一服劔へと続く別山ルートの全貌を見ることが出来る。
ここにもまだチシマギキョウ・イワツメクサ・ミヤマリンドウ・ミヤマシオガマ等が咲き残っており癒しを与えてくれる。
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まだまだ続く岩場 |
登って来た別山尾根ルート…平蔵の頭・前劔・一服劔 |
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ヨコバイ分岐からは四つん這いで登るところもなく、浮石に気をつけ早月尾根への標識を左に見てガレ場を登り2999mの頂に立つ。
2000年7月に初めてこの頂を踏んでから4度目の山頂である。
先程まで見えていた槍穂高は雲に隠れてしまったが360度の展望は最高で肉眼では富士も。
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天気も良いので池ノ谷乗越まで足を延ばしてみようと5分程で山頂を後にして北方稜線へ。
別山ルートの賑わいがうそのように登山者は誰もおらずルートを目線で確認しながら岩場を長次郎のコルへと下っていく。
コル手前まで来ると何処から湧いて来たのかガスで視界がふさがりルートが読めず!・・・これは無理と引き返すことに。
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北方稜線キケンの看板 |
山頂より下って来た岩場 |
ガスにが湧く長次郎の頭とモワイ岩 |
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山頂へと下って来たルートを確認しながら登り返して45分程の北方稜線偵察を終えザックを降ろす。
本日二度目の山頂はガスが湧きはじめており、行動食でエネルギーを補給し15分程で下山へ。
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下山ルートのカニのヨコバイまでは登って来たガレ場を下る。
ヨコバイは高度感のある岩場のトラバースでスタンスをしっかり確保し、鎖をホールド代わりに三点支持で下る。
続く長い梯子を下る切ると平蔵のコル避難小屋跡へと出る。*カニのヨコバイは下り専用。
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往路と合流しコルの岩道を慎重に進んで平蔵の頭を登り返えす。
下りルート専用の前剱の門鎖場をよじ登り、前剱を巻くようにトラバーして、一服劔から剣山荘へ。
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クリックするとルート図(平蔵の頭) |
頭へ登る登山者 |
クリックするとルート図(カニタテ・ヨコ) |
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13番目鎖場前劔の門 |
前劔の門鎖場(下りルート専用) |
前劔トラバース道 |
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11時20分剣山荘に戻り着き別山尾根ルートからの劔登山を終える。約6時間の岩場歩きを堪能!
山荘のテラスでコーヒーを飲みながら関東や東北より遠征されて来た大勢の登山者の方とたのしい語らいの時間を過ごした後
預けていた40リットルのザックに荷物を詰め替えて12時10分お世話になった剣山荘を後にする。
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一夜の宿…剣山荘 |
見送ってくれたホシガラス |
劔沢は例年より残雪は少ない |
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劔沢を登り返し、劔御前の小屋でカップ麺で腹ごしらえ、雷鳥坂を写真も撮らすに一気に下って浄土沢の流れで顔を洗濯。
ここまでは順調であったが最後に思わむ落とし穴が待っていた。
雷鳥沢キャンプ場から雷鳥温泉への階段の登りで全く足が上がらなくなり、立ち止まること十数回、最大の難所となる。
バテバテでミクリガ池を通過して16時10分なんとか室堂に到着。なんとキャンプ場より1時間以上かかってしまう。
まあこれも劔登山のいい思い出になるなあと最後に立山名水を口に含んで高原バスに乗車、電鉄立山より枚方へロングドライブ。
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別山尾根・劔沢で出会った花達…ヨツバシオガマ・オヤマリンドウ・トウヤクリンドウ・ミヤマキンバイ・ミヤマトリカブト・クモマグサ |
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