前回の蛇谷ヶ峰以後、休み毎に雨と意気統合してしまいなかなか山にいけなったのであるが、
ようやく晴れになる予想の3日、鈴鹿藤原岳へと向かう。
今日の予定は、年末に天狗堂よりそのルートをシッカリと目に焼き付けた西尾根からの山頂へである。
藤原岳へは今まで5度登っているのであるが、すべて三重県側からであり滋賀側からは初めてになるので少しワクワク気分!
八日市より国道477号線を走り、正所から木地の里君ヶ畑に入り、御池林道の小又谷の駐車スペースに車を止める。
こちらからはまだ登山者は少なく広い駐車スペースには小生の古い登山専用車のみである。
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御池林道小又谷の駐車スペース |
林道より分かれて作業道へ |
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コンビにで仕入れた朝食セットとバナナを食べてシッカリ腹ごしらえをしたあと、先ず登山口のある茨川に向けて歩き始める。
駐車スペースから茨川への林道沿いを進むとすぐに昨日までの雨と雪解けで水量の多くなった沢に出合う。
濡れずに渡れないかとあたりを探すも適当な場所がなく、くるぶしまで浸かりながらエイ・ヤーと通過!
林道をさらに進むん廃村茨川への分岐に着き、鉄で出来た立派な橋を渡ってゆく。
橋を渡るとノタノ坂に向けて薄暗い谷右岸沿いに続く道をゆっくり、ゆっくりとペース配分を考えて登ってゆく。
以前は多くの人が通ったであろう道も、今は登る人も少ないのか道が少々荒れている感じはいがめない。
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途中に中部電力の巡視路が谷を渡っており、さすがにはじめての道でどちらに進めばいいのか少し不安も巡視路標識の下に
ノタノ坂左と黒マジックで書いてありホッとしてそのまま谷筋を登り続ける。
さらに巡視路を一つやり過ごして谷突きあたりにある鉄の小橋を渡り杉の急斜面をひと登りしてノタノ坂に到着
ここはその昔茨川へ、そして茨川から多くの人が通った峠であり、苔むした石柱にそのなごりを偲ぶことが出来る。。
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一息入れた後、ノタノ坂より土倉岳へ続いている巡視路を右に折れて斜面をトラバースするように茨川へと足を向ける。
奇麗な広葉樹の森を下り、杉の植林地を抜けて沢筋を行くと茶屋川の流れに出合う。
向こう岸には茨川の廃村が静かに見えてる。
あさ!茶屋川を渡ろうと・・・・橋がない、渡る場所がない、昨日までの雨で川が増水し飛び石が水没しているのである。
それではと若き頃の自慢の幅跳力を信じてエィ・・・見事に手前に着地してドボン!岸部に鎮座するお地蔵さんが笑う。
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茨川は昭和30年代の後半に廃村になり、今は大学や高校の山岳部がその家屋を借りて基地にしているようである。
ブルーの屋根がまぶしい名大茨川小屋前で休憩を取り、西尾根へのルートを確認をする。
小屋裏より茶屋川の川原に下りて、川沿いに立つこの村の守り神である神社に一礼して遡行をはじめる。
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名古屋大茨川小屋 |
川沿いに村の守り神 |
茶屋川の流れ |
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川は昨日の雨と雪融けで水量が多く、何回も渡渉を繰り返し、行き詰まっては岸に逃げたりしながらようやく
蛇谷と真の谷との合流に足元ビチョビチョで到着し西尾根の取り付点を確認。
この二股が西尾根取り付き点であることがテープマークと斜面上に掛けられた藤原岳の小さなプレートでわかる。
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蛇行する茶屋川を歩く |
左真の谷 右蛇谷 正面が西尾根取り付き |
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いよいよ西尾根への本格的登りである。はじめは自然林の急な斜面を息切れを繰り返しながらの登りとなる。
踏み後もしっかりと付いているが良く似た場所が多いのでテープをしっかりと確認しながら徐々に標高を上げてゆく。
三筋滝からの登山道?を過ぎて尾根筋が緩やかになると、木々の間より天狗岩が天に向かって突き出しているのが見えてくる。
やがて登山道は広葉樹のすばらしい広場に入り、西尾根はそのすばらしさを堪能させてくれる。
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取り付き点の急登 |
見事な自然林を歩く |
存在感のある天狗岩 |
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見事な広葉樹の広場・・・心がゆったりとした気分になる |
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森を抜け出ると西尾根の展望ポイントに出て下りに使う県境尾根の向うに竜・静・銚子が奇麗な稜線を見せてくれる。
振り返ると尾根筋の向うには天狗堂がぴょこんと頭を出してこちらを眺めており、ちょっとバテ気味の身体に活を入れてくれる。
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竜と静・脹の稜線 |
尾根の向うに天狗堂がぴょこん |
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本峰へ登りだし、標高が高くなると回りはしだいにカレンフェルトが目立ち出してくる。
本来のルートは一度山荘からの鞍部に出て登り帰してゆくのであるが、そのままカレンフェルト中を抜けて山頂へと進む
まだ蕾状態の福寿草を見ながら11時19分展望丘に飛び出す。 |
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カレンフェルトの中を進む |
福寿草はまだ幼稚園 |
展望丘山頂の裏側に出る |
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正月にここを訪れた時は天狗岩に行き、こちらの頂は踏んでいないので今年はじめての展望丘である。
朝より低くたれていた雲も徐々にちりはじめて青空が覗くようになり、御池・天狗岩もくっきりと見えて気持ちの良い山頂となる。
西尾根の福寿草はまだ幼稚園の状態であったが、表参道より登って来られた方のお話では八合目は相当咲いていたと事。
あの辺りは相当荒れていたそうで、そろそろ保護の必要があるのではのお話にうなずき少し悲しい気分!
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山頂でおにぎりとどん衛兵の簡単な食事をし、珈琲を沸かして島崎三歩の気分で至福の時間をゆっくりと過ごす。
山頂より下山コースの県境尾根、迷い尾根をシッカリと確認し登山者の方に挨拶をして孫太郎尾根方面へと足を向ける。
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これから下る県境尾根 |
県境尾根下降地点より展望丘 |
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下り始めは本峰からの激下りとなり、こけないように慎重に下ってゆくも何度か足を滑らして
お尻に泥を付けてしまい帰宅後の嫁のキツイ目が頭をよぎる。
激下りが終わると今度は踏み跡不明瞭な急斜面のトラバースとなり滑落しないようにバランスを取りながら進むと
孫太郎尾根との分岐に到着し、ホット一息。
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孫太郎尾根との分岐 |
県境尾根もまだ花開かず |
下って来た展望丘(藤原岳) |
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分岐からの県境尾根のはなだらかな道となり、快適なトレッキングが続く。
振り返ると午前中に歩いた西尾根のスカイラインが青空の中に見事な姿を見せてくれる。
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尾根筋の小さなアップダウンを何度か繰り返してゆくと蛇谷との分岐に着き、ここから茨川に下れるか地図を確認するも
ちょっときついなと判断し、迷い尾根、治田峠方面へ前進。
しばらくすると右側に赤テープがありこれは旧道に違いないと判断して、迷い尾根手前より茨川にダイレクトに下って行く。
踏み跡も薄く付いており、テープマークもところどころ残っており、地図には載っていないが旧道に間違いないと確信。
時々道を見失いながらも下り続けると、下方に青い屋根が見えはじめて名大小屋前に飛び出す。
朝と同じようにここで大休憩を取り、ちょこっと冒険の緊張感より開放される。
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蛇谷分岐 |
尾根よりダイレクトに下った道 |
前方の杉林の中より小屋前に出る |
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休憩のあと茶屋川を再び飛び越えて対岸に渡り、杉の林と広葉樹の森を登り帰してゆく。
ノタノ坂に着くころには足があがらず息も絶え絶えでバテバテに!
あとは御池林道小又谷出合いまでゆっくりと下り無地駐車スペースに到着。
西尾根はずばらしい森が続き新緑の季節にもう一度と思いながら車を京都へと走らす。
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