奥穂岳からジャンダルム・西穂岳へ縦走

山行日:2008年7月18、19日
天候:18日雨後曇り 19日晴れ
メンバー:単独

コース:1日目 上高地(7:30)→横尾(9:50 10:20)→本谷橋→涸沢(13:12)→穂高山荘
二日目 穂高山荘→奥穂高岳→ジャンダルム→天狗のコル→天狗岳→間ノ岳→西穂高→独標→西穂山荘→西穂口


7月17日仕事を21時30分に終え家に帰らず会社よりそのまま北アルプスに向かう。
休みが二日しかなく下山にロープウエイが利用できる奥穂〜西穂の縦走を目的にクルマを平湯温泉に向ける。
東海北陸道のひるがの高原PAで仮眠を取り、午前6時に雨の平湯温泉アカンダナ駐車場にクルマを止める。

6時30分の始発バスに乗り釜トンネルを抜けて上高地に入ると雨とガスで焼岳、大正池は見事にグレーのキャンバスの中!
明日が晴れることを信じてバスターミナルでレインウェアを装着しテンションがあがらないまま出発。
雨の河童橋 登山者も完全な雨装備 ガスに煙る梓川

下を向いたまま河童橋、明神を通過し徳沢で小休止をしたあと急ぐようにして涸沢への分岐横尾へと足を向ける。
横尾が近いことを教えてくれる屏風岩も今日はその鋭い姿を見せてくれず反対に雨が本降りになってくる。
折れそうになる心に元気をくれるように咲くゴゼンタチバナを見て横尾に9時50分到着。
横尾で朝食がてらの大休憩を取り、祈るような気持ちで横尾大橋を渡り涸沢へ!

広大な徳沢キャンプ場 ゴゼンタチバナ 交通の要横尾

本谷に向かう樹林帯に入っても相変わらず下ばかり見て進み何気なく屏風岩を見上げるとガスが薄くなり
東壁と正面カンテが顔を見せ始めているではないか!これはいい感じとばかりに本谷橋に着くとほとんど雨があがり出す。

顔を見せだした東壁と正面岸壁 屏風岩スラブ 水量たっぷりな本谷橋

もう雨は降らないだろうとカッパを脱いで小休止したあと涸沢への急な道を再び登りはじめる。
昨年歩いた本谷右股の向うに見える横尾尾根上空には青空がかすかな広がり見せはじめており
沈んでいた心に明るさを差し込んでくれているようである。
登山道脇にはその存在感を示すようにキヌガサソウが見事な☆を見せてきれいである。
本谷右股  キヌガサ草 明日の晴れが期待できる一番星

樹林帯を抜け残雪たっぷりのS字枯れを通過して雪で埋もれた石段道を一歩一歩登りヒュッテのテラスにザックを置く。
さすがに睡眠不足の身体はきつく本谷橋からの急登と先程の雪道で相当を時間を食っており、予定より30分程遅い到着となる。
自分で昼食を作るのが面倒でヒュッテのラーメンで腹ごしらえをしてようやく身体も腹も一息!

残雪の多いS枯れ付近 小屋とヒュッテの分岐 涸沢で迎えてくれたコイワカガミ

涸沢からはパノラマコースと小屋経由の道が穂高山荘に向けて出ているが、パノラマの方はまだ雪の整備が出来ていなく
小屋経由で登られるよう方が良いとの山岳警備隊のアドバイスを頂き涸沢小屋に立ち寄り前穂北尾根の
アルペン景観を楽しんだあと白出乗越へ続くザイディングラードへと足を向ける。

涸沢小屋からの北尾根展望 3000mの稜線はまだガスの中

小屋からの樹林帯を抜けるとすぐに雪渓があり、天候が悪ければ西穂への縦走を中止し白出沢の冬道を下る予定で
持ってきたピッケルを練習代わりに使い一歩一歩雪の感触を味わいながら登る。
涸沢槍からのガレ場のトラバース道を順調に通過してザイディングラードの取り付き点へ。
涸沢槍からのガレ場のトラバース 白出しへのザイディングラード 雪のたっぷりある取り付き点

ザイディングラードに入ると岩道が続くが危険な場所は梯子や鎖でガードされており安心して登れる。が今日はガスが濃い為
油断せず三点支持を守って登って行く。左右の展望は全くないが足もとには可憐な高山植物が咲いており目を楽しませてくれる。

上高地を出てから8時間、山荘まで20分と書かれた案内岩までくるとさすがに夜行運転の疲れがどっと出て
バテバテとなり10歩進んでは立ち休憩の連続で最後の雪渓をフラフラで通過しガスにつつまれた穂高山荘に到着
岩道の続くザイディン キバナシャクナゲ キバナノコマノツメ
コイワカガミ 振り返ると涸沢カールが! ベニバナイチゴ
ミヤマギンバイ ハクサンイチゲ 山荘まで20分の岩案内

穂高山荘には30名位の方到着されており思い思いの時間をゆったりとされていおり、チェツクインをして仲間に入る。
夕食まで少し時間があるのでザックの整理をしていると山荘の玄関に続々と到着される登山者。

あとで聞くと韓国からのツアー登山の一行で総勢が70名で、槍からの縦走らしく最後の方は19時を回っていたらしい。
洗面に歯磨き粉を使ったり、大声でお喋りしたりとすこしお行儀が悪かったが全員楽しそうでした。
翌日奥穂の頂でアニハセオと笑顔で挨拶してくれた人が印象的でした。
明日の晴れを信じてグーグーグーとよく眠り
 
最後の雪渓 穂高山荘