涸沢から北穂、南岳  
山行日:2007年7月26日〜28日
天候:26日雨 27日快晴 28日曇天
メンバー:単独

コース:
上高地(6:00)→徳沢(7:32 7:50)→横尾(8:40 9:15)→本谷橋(9:58 10:05)→本谷遡行断念→本谷橋(10:38)→凅沢(12:10)


7月の声を聞くと体がソワソワしだし、北アルプスが異常に恋しく都合よく取れた連休を利用し上高地へと向う。
今回は、今だに歩いたことのない本谷右股を遡行し天狗のコルから南岳小屋を目指す計画である。

21時に仕事を済まし、家に戻らず直接京都南インターから名神に入り、養老で晩ご飯を食べたあと平湯温泉目指して東海北陸道を北上する。
ひるがの高原まで来るとさすがに目がショボツキだし、これはいかんと仮眠タイムを取る事にし寝袋に入り明日に備えての睡眠を取る。

1時間程眠り、3時に起きて洗顔をし、再び平湯温泉目指して車を走らす。
飛騨清美インターから高山市内を抜け4時30分一年ぶりに平湯アカンダナの駐車場に車を止める。4時50分の始発バスに乗り、上高地へと向う。
乗客は私も含めて登山姿の方が20人程である。長い安房トンネルを通過し、釜トンネルを抜けると青空の中に焼岳が聳える風景が広がり、
今年初めての北アルプスはすばらしい天候で山休を迎えてくれるはずであったが雨がドドド…ガク!

上高地バスターミナルで装備を再確認し、行き先を本谷経由と予備の天狗原経由南岳とし登山届を提出する
雨がきつくなかなか出発できず30分程雨宿りしたあともう待ちきれずに、合羽に傘をさすちょっとブサイクなスタイルで6時ちょうど横尾に向う。

バスターミナルから5分程歩くと河童橋に着き、橋上より今年もよろしくという気持ちで穂高の峰々を眺めるが何も見えず。
いつもならこの時間でも梓川の川原は観光客の人たちが散歩をしているのであるが、さすがに雨の影響か人の姿は見あたらす河童橋がポツン!

管理センターの前から小梨平のキャンプ場を抜け左岸をずっと下を見ながらをコトコトと歩き、明神を通過して芥川さんが通われたという
徳合峠への道を右に見てさらに進むも雨は一向に止む気配を見せない。
樹林の中に建つ徳沢ロッジを過ぎると以前は牧場であったという草原が広がりを見せて中継点徳沢に到着し少しの休憩を取る。

雨の上高地河童橋 明神も雨 ガスに煙る梓川 キャンプスポット徳沢

徳沢から横尾への道も先程までと同じで歩き易く体も慣れてきて足は軽いが雨がつらい。
梓川沿いの道を進んでゆくとやがて前方左にガスに包まれた屏風岩が見え出し次第に東壁が大きくなりだして横尾に到着する。

上高地を出ておよそ2時間30分、雨の中11キロのプロムナードと良いように書いておこう。
横尾は交通の要所であり、槍、穂高、蝶への登山道がでており最盛期には登る人、下る人でいつも賑わいをみせる場所である。
はじめて穂高や槍に登る人は前日にここまで入り、横尾山荘に一泊すれば翌日の行動が非常に楽である。

パノラマコース入口新村橋 梓川左岸を行く 横尾山荘

横尾で30分程雨宿り休憩をしているとようやく雨が小降りになり、これなら大丈夫と判断し当初の予定とおり本谷へと横尾大橋を渡る。
川原状の道を進んで樹林帯に入りガスにかすむ屏風岩を左に見ながら少しづつ傾斜を増す登山道を40分程進むと本谷橋に到着する

凅沢に向う登山者はここでほとんどの人が休憩をとる場所となっており、今日も雨の中を登ってこられた数名の登山者の方が
川原でこれからのきつい登りにそなえて体調を整えられているようである。

本谷橋に向かう登山道 ガスに煙る屏風岩 休憩スポット本谷橋

一息入れたあと後いよいよ右股に向うべく本谷橋を渡らず
左岸の川原沿いを歩き始める。
昨日からの雨の影響と雪解け水で水量が多く

水面よりでている石の上を飛び飛び歩くのであるが
なかなか前に進まない。

それでもバランスを取りながらしばらく進むと
川原全体を水が覆い岸のブッシュ帯に逃げるも行き詰ってしまう。
再び雨も降り始めこのまま進むのは危険と判断し、
残念であるが本谷橋に戻ることを決意。


本登山道から涸沢出合に下降する手もあるが、
本谷のはげしい水量を眺めながめると断念が正解と
自分に言い聞かせて
涸沢へ足を向ける。

涸沢への登山道より振り返ると本谷右股がくっきりと見え秋のリベンジを誓う。
本谷右俣

石畳のように続く急な道をひたすら登り樹林帯を抜けると登山道は雪に覆われははじめて、
前方に広がる 涸沢カールとあいまってアルペンヌードあふれる雰囲気になってくる。
階段状に雪切りされた残雪の登山道を一歩づつ登り、小屋との分岐を通過して12時10分モレーン上に建つ 涸沢ヒュッテに到着。
カールを囲む奥穂、前穂、北穂、 涸沢岳の3000mの巨人達は機嫌が悪いのか、恥ずかしいのかガスで顔を覆ったままである。

まだまだ雪が登るカール手前 石畳が雪の階段に テント村とガスの北穂

昼ごはんを作りお腹を膨らましたあと、まだ時間が早いので北穂に登ろうかと悩んだあげく
10数年穂高に通っていながら 涸沢には一度も泊まったことが無いのと精神的に少しバテも来ているのでここにザックを置く事に決定。
午後からは雨もほとんど止み、すこしづつ姿をみせはじめようとする穂高の峰々をテラスでのんびりと眺めながら
全国から北アルプスを登りに来た登山者の方達と山の会話を楽しむ。

午後からは徐々に穂高の峰々が姿を見せる 屏風の頭を超えて常念山脈が顔を出す