待望の梅雨明けを感じ7月30日、仕事を午後8時に済ましその足で京都南インターより名神に乗り新穂高温泉に向かう。
今回の山行は久しぶりに山中2泊の予定で、いつもは途切れ途切れで縦走している槍、穂高連峰をまとめて歩く計画である。
多賀のサービスエリアで夜食を摂り少し休憩後星空を確認して含み笑いをし、名神から東海北陸道へと車を走らす。
関ヶ原で事故渋滞に巻き込まれながらも午前1時00分清美インターを通過し、飛騨高山のひっそりとした市街を抜け乗鞍岳の麓から
平湯トンネルを通って奥飛騨温泉郷に入る。 新穂高に抜けるバイパスが通行止めになっているので平湯温泉の街中を抜け
さらに車を走らせ午前2時30分ガマタ川沿いにある新穂高温泉無料駐車場に車を止める。駐車場には多くの車が止めてあり、
自分と同じようにここで仮眠を取る人も多いのであろう。助手席で寝袋に入り星空の下しばしの睡眠タイムに!
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奥飛騨温泉無料駐車場 |
5時30分目をさますと予定とおり雨音が聞こえずそこそこの天候で山は朝を迎えてくれたようである。
いそいそと支度をし、バスターミナルで登山計画書を提出して、スポーツ飲料2本と水1本をザックに入れ午前6時双六岳に向けてがまた側左岸へと足を進める。
一般車進入禁止のゲートをくぐり砂利とコンクリートの交互した林道を40分程黙々と歩くと 水場のある中崎橋 と名づけられた橋に着き、笠新道との分岐を過ぎて
しばらく樹林の中に建つわさび小屋に到着である。
わさび小屋では多くの人たちが休憩を取っておられ自分もその仲間に入り、早速仕入れたスポーツ飲料をごくごくとのどに通す・・・ああ気持ちよい! 夏・夏・夏!
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新穂高バスターミナル |
がまた川の清流 |
水場のある中崎橋 |
笠新道分岐 |
わさび平小屋 |
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わさび平小屋を過ぎブナの大木の中に続く林道を抜けると前方が開けて大きな橋が見えてくる。
この橋を渡ると旧道になるので左岸に続く小池新道に入り林道と別れを告げる。新道に入るとすぐに大きな雪渓に突き当たり、
下部の小さな流れを石を飛んで渡ると登山道は潅木帯の中に階段状に整備されたガレの急登に変化してゆく。
雲の間より時たま顔を出すお日様の夏パワーと昨夜の睡眠不足から思うようにペースが上がらず息切れの連続で何度も何度も
立ち休憩をしながらの登りとなり遥か前方に姿を見せはじめた穂先にまだまだ修行がたりないぞと笑われているかのようである。
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ブナ林の中に続く道 |
雪渓が登山道を遮る |
整備されたガレの急登 |
はるかに槍の穂先 |
振り返ると西穂の稜線 |
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イタドリヶ原あたりまでえいこらえいこらと登ってゆくと登山道の回りにはいたるところに高山植物が咲き山岳風景とはまた違った目を楽しませてくれる。
何度か高山植物をカメラにおさめながら石ごろの急な登りと所々に残る雪を越えてようやくその名の通りシシウドが斜面を覆いつくすシシウドヶ原に到着する。
シシウドヶ原からは急な直登コースとゆるやかなジグザグコースの2つがあり体力にあわせて選びべるようになっているのであるが、ほとんどの人が近道になる
直登コースを選ぶようである。 ここで水分補給と簡単なものを腹に入れ、自分も見栄で体力があるかのように直登コースへと向かう。
シシウドの中に続く急なザレ道を登りきると道は穏やかになり、木道が架けられた高層湿原を通過してゆくとシラビソと池がうまくマッチした自然の庭園鏡平である。
あの有名な水面に映る槍を見ようと池の淵に立ってみるが穂先は恥ずかしいのか顔を見せてくれずオオシラビソの上には白いカーテンがかかるのみ!・・・ウッ残念! |
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石ゴロの道 |
雪渓を行く登山者 |
シシウドヶ原 |
木道の続く湿原 |
鏡池に映る槍! |
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鏡平小屋の広いテラスには家族連れ、ご夫婦、若者のグループなど多くの人達が食事や休憩をとっておりどの顔を見ても
皆さんさわやかな笑顔で夏山をエンジョイされているようである。
まだ小学生にもなっていないであろう小さな女の子がバンダナをおでこにし、ザックを背負う姿に今は ドイツアルプスの麓に在住する
娘の十数年前の姿をダブらせながら頑張れと目線を送り、双六に向けて小屋を後にする。
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鏡平から熊笹の目立ち始めた道を一歩一歩登ってゆくとやがて森林限界に近づき、小さな尾根を抜けると笠からの稜線が大きな壁を作ってその壁の中を登山道が
一直線に 雲の中に向けて伸びている。 たどりつけるのかなあと思いながらも一直線の登山道を黙々と登り続けて笠と双六への分岐弓折平にバテバテで到着する。
分岐はちょっとした広場になっておりここでも梅雨明けを待って山に入ってきた人たちが大勢休憩しており、暑さでとろけかけている身体に水分を満タンに補給。
稜線に立つと先程までとは打って変わり快適な山歩となり、這い松と高山植物の中をゆるやかにアップダウンを繰り返しながら進むと花見平というお花畑に出、
深い谷を越えて双六岳が優雅な姿を見せてくれる。 這い松の中、石ゴロに気をつけながらさらに足を進めると前方に赤い屋根と小さな池その向こうに
茶色く光る鷲羽岳、さらにその後ろに黒く光る水晶岳を姿を望み、色とりどりのテント場を通過して14時18分本日の宿泊地双六小屋に到着する。
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弓折乗越に伸びる道 |
笠と双六への分岐弓折乗越 |
花見平から双六岳 |
前方に鷲羽岳と水晶が |
まもなく双六小屋 |
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少し時間があるので双六岳を往復しようと思い山頂方向を眺めるも厚いガスに覆われ、その姿を確認できず山頂をあきらめ小屋の廻りでひと時の山の休日を楽しむ。
夕食後同部屋になった方々と山の話を楽しみながら明日の西鎌尾根、槍穂高縦走に備えて早めに布団に入る。
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