槍ヶ岳
新穂高温泉より飛騨沢経由で穂先へ

山行日:2005念10月6日(水) 7日(木)
天候:初日晴れ 2日目晴れ
メンバー:ミーとマンさん アイゼンノムさん 私こと山の休日

コース:1日目 新穂高温泉(7:00)→滝谷→槍平小屋(10:30 10:50) →飛騨沢千丈→飛騨乗越(14:25 14:35)→槍ヶ岳山荘(14:45)→槍穂先往復
     2日目 槍山荘→大鋏岳→中岳→南岳→南岳新道→槍平小屋→新穂高温泉

今年最後の北アルプス山行は剣、笠、槍と迷いに迷い悩んだすえ、
十数年前に妻と娘をつれて登って以来の槍に決定し10月5日夜半に京都男山を出発する。
今回のメンバーは、当サークルの若手で30代の健脚候補兼運転手のアイゼンノムさんと
長年の山友中年の星40代のミーとマンさん、そして50代の老兵私こと山の休日の3人である。
いつものように名神、東海北陸道を走り飛騨高山の町を抜けて午前3時30分奥飛騨の無料駐車場に到着。
ちなみに老兵山の休日も少しではあるが運転をする。
駐車場にはすでに50台程の車が止まっており、無料の力を発揮しているようである。
有料になる話しもちらほら出ているそうであるが、いつまでも無料であって欲しいものである。


新穂高温泉
2時間程仮眠を取り、目をさますと天空は一面の青空で雲ひとつ無く、
前回より晴れ男に改名した私山の休日の絶大なる効力かなあと自分自身で感心する。
ネットの山の友人、さんぞうさんの予言が見事にうれしく的中である。
中年の星ミーとマンさんも若手健脚候補のノムさんも心の中で晴れの影響力にびっくりしているのではないだろうか!
新穂高のバスターミナルで簡単な朝食を採り、入山届を提出して午前7時旅館、ホテルが並ぶ坂道をゆっくりと
登りはじめる。工事用の舗装道路を10分程進むとがまた右股林道の標識があり、ゲートを超えて砂利道をしばらく
進むと右に槍、穂高への近道の看板が目に入る。
いつもはこの近道を通り穂高小屋に向かうのであるが、10分程のロスを今日は足慣らしのつもりでそのまま林道を進み
飛騨牛が放し飼いにされている穂高小屋の牧場に7j時35分到着。


がまた右岸林道をゆく
登山者が少なくまだ朝も早いので小屋は開いていないのであるが、老兵の希望でベンチを借りて早速の休憩を取る。
私より20才程若いノムさんは食欲がおおせいなのか、飛騨牛の子牛を指さし「あれはメチャクチァ美味いんですよ」とこの大自然に似合わない事を
言うので、自然を愛する「山の休日」の前でそういう不謹慎なことはダメですと心では同調しながらも注意をする。・・・でもほんとうに美味いです。

ノドを潤したあと、紅葉をはじめた木々の間より笠の稜線を見ながら林道をさらに進むと右の林の中に今は閉鎖中の白出小屋が見えてくる。
この白出小屋からは穂高へのルートが出ており厳しい登りになるが静かな道で隠れた人気を誇っているが、途中に小屋が無く登山者も少ないので
どちらかというと山になれた人や健脚者向きの道であろう。

小屋をすぎて直ぐに白出沢に出合い、沢を渉ると樹林の中に登山道がつけられており徐々に山道へと変化してゆく。
チビ谷と名づけれた沢まではほとんど傾斜は無く、石畳みを敷きつめた様に整備された登山道は歩きやすく、ミーとマン氏、ノム氏もいつもより
歩くスピードが速くなりがちのようで、老兵の私にはついて行くのがやっとである。

チビ谷でしばしの休憩をし少し傾斜の増した道を左下に沢音を聞きながら滝谷へと進む。
滝谷を通過するのは登り下りあわせて4回目になるが、雄滝はもちろん紅葉のV字谷の上部に北穂のドームまで見ることのできできるすばらしい
景観をみせてくれるのはもちろんはじめてである。
滝谷…上部には北穂のドームが! 藤木九三さんのレリーフ 槍平への道を行く
気分よくふたつの木製の橋を渡り、滝谷の開拓者の一人である藤木九三さんのレリーフに挨拶をして、
少し傾斜の増した石ごろの道を進む。小判のような1枚岩にかかれたペンキ印を過ぎて、熊笹の中を右方向に
登って行くと川原状の穏やかな道になり、前方に槍平小屋の赤い屋根が目に入ってくる。

新穂高のバスターミナルを出ておよそ3時間30分、槍と南岳への分岐槍平の小屋に到着。
ここで本日の行程の約半分を終えたことになり少しお疲れ気味の山の休日の意見で大休憩を取る事に!
                                                   槍平小屋→

休憩後はいよいよ飛騨沢の登りである。ミーとマンさんとノムさんは昨年ガスの中を下ってきた経験があるのであるが、私はもちろんはじめてで
期待感が膨らむ。小屋からしばらくは穏やかな道が続き、赤や黄にそまった木々のなか軽快なトレッキングといった感じである。

尾根状に続くちょっとした急な登りを超え前方に槍からの枝尾根が見えだすと森林限界に達し、目の前には広大な紅葉の絨毯が広がり、
砂礫まじりの道をさらに進むと長大な西鎌尾根の先、青空の中に白く尖った槍の穂先を確認することが出来る。
飛騨沢から眺める槍の穂先は尖がり帽子のように見え、槍沢からとはまた違った姿で登山者の目を楽しませてくれる。

紅葉の樹林帯を登る これを登ると→ 紅葉の絨毯と槍の穂先

西鎌尾根への分岐でもある千丈乗越の休憩ポイントを過ぎると登山道は傾斜を増し、砂礫混じりの道からガラ場の登りへと変化して行く。

頭上に聳える槍の穂先に励まされながらジグザグのガラ場を登るが、乗越が直ぐそこに見えてからがキツク何度も立ち止まっては息を入れ
ノムさん、ミーとマンさん 10分程遅れて老兵と年齢順に日本一高い峠に到着。

乗越より眺める穂先は槍沢からのせりあがりが美しく、
まさしく日本のマッタ-ホルンのようであり、飛騨沢からの
強風も重なりその美しさが疲れを飛ばしてくれる。

強風を避けるようにのっこしをあとにし稜線上に設置された
キャンプ場を抜け15時30分山荘のテラスに ザックを置く。

目前に槍がドーンと座りすぐにでも登りたい気持ちを押さえて
宿泊手続きをし
少し休憩したあと穂先に向かう。

山荘より穂先の取りつきまではほんの2、3分の距離で、
下から眺める穂先は首が痛くなるぐらいに高くそびえ
登れるかなと思うぐらいの垂直に感じるが
登りはじめるとコースは完璧に整備されており、
三点支持の基本を守れば問題無く、
山頂直下の長い垂直のはしごを慎重にクリアすると
頭上にはなにもない空間が大きく広がる山頂である。

両氏とも心の中で晴れ男「山の休日」の影響力にあらためてびっくりしているのであろうと思い私も十数年ぶりの山頂を胸一杯に楽しんだあと、
北鎌尾根への下降点に立っている祠の前で記念写真を撮り40分程のんびりとして山荘へ戻る。
北鎌尾根独票 裏銀座の山と立山遠望 三角錐の常念岳 影槍
山荘には40人程の登山者の方がおられ、夕食後雑談を楽しんだあとノムさんのガオーにも負けず深い眠りに入る。