31日夜22時登山専用車ミーとマン号で京都を発ち白馬に向かう。
名神と中央道を走り長野道を経由して、豊科インターでおり翌朝4時白馬の無料駐車場に到着。
メンバーは私の他に温泉好きのミーとマン氏と当サークル一番の健脚割り箸氏である。
ゴンドラの始発までまだ少し時間があるのでわずかであるが仮眠を取る。
八方の町を抜け7時始発のゴンドラに乗り一気にウサギ平まで上昇し、ペアリフトを乗りついで登山口取り付き点のある
八方池山荘に空中散歩を楽しんで到着する。リフトからは、これから向かう天狗尾根から白馬三山が展望でき、
午後の天狗尾根歩きまでこの天気がもってくれよと祈る気持ちで三山を眺める。
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町並みより白馬鑓が顔を出す |
登山口からは、お花畑を通る道と尾根を登る2つの登山コースがあり、第二ケルン手前で合流するが尾根コースより最初のポイント八方池を目指す。
一般の観光客も八方池までは結構多く、尾根コースをとる方が混雑がなく、右手に三山を見ながらの登りになるので自分はいつもこちらを歩いている。
八方尾根より入山するのは今回で5度目であるが、過去3回は雨で下を向きながら歩き、あと1回はカンカン照りの中半脱水症状気味の登山であったので、
今回のボチボチ天気が一番いいのかも!(晴れない負け惜しみが多分にあり)。
取り付きより石ごろの急坂をゆっくりと登り、長大な八方尾根にそなえて体調をなじませて行く。
ちょうど一汗かくころ前方に第二ケルンが見えだし、その後方にガスで見え隠れするギザギザの不帰の剣を確認することが出来る。
花道との合流を過ぎ左に八方ケルンを見ながら石の階段を登りザレ場を進むと台地状の広場に到着する、
目の前にはブルーに染まった八方池が山の姿を水面に描いている。
ここからの白馬三山の眺めはすばらしく、しばしの休憩をとり山の休日を楽しむ。
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尾根道より鑓・杓子・白馬 |
八方池と不帰ノ嶮 |
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先はまだ長く砂礫の尾根道をお日様にせかされるように進むとダケカンバ帯にはいる、下のカンバである。
先程とは比べものならないほど涼しく、思わず一眠りしたい気持ちを押さえさらに足を進めて、お花畑を登り
上のカンバ途中ある扇雪田で一休みする。
登山者が一息いれる恰好の休憩ポイントになっており、雪渓でタオルを冷やし汗を拭くとなんと気持ちのよいことか!
雪田からは樹林を少し登り穏やかな這松帯を通過すると丸山ケルンの立つ小山に到着する。ここからの眺めも最高であるのだが
あいにくガスが湧き、白馬三山、不帰、今まで歩いてきた登山道も確認出来ず。
さらに岩肌の露出したトラバース気味の道を足元に気をつけて進み木製の橋とクサリ場を過ぎ、
ぐるっと尾根を巻くように登ると唐松山荘に到着である。
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下のカンバ |
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ミニお花畑 |
扇雪田 |
丸山ケルンの立つ小山 |
木製橋を渡る |
唐松山荘 |
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山荘前からは正面に剣,立山連峰、右手に唐松岳が眺められ、水分補給をするのも忘れるほどに思わず見入ってしまう。
黒部の渓谷を超えて立山の大きな山容、剣沢、三の窓雪渓、仙人尾根、そして剣本峰の勇姿とここをはじめて訪れるミーとマン氏、割り箸氏も目が点になっており、
きつかった八方尾根の登りを忘れているかのようである。思い出したように水分補給をし、簡単な食事を採って唐松岳山頂へ歩きはじめる。
山荘前の砂礫の道を少し下り気味に進み、10分程急斜面を登ると2659mの頂きに到着である。
ご夫婦の方に剣岳をバックに記念写真を撮って頂き、胸一杯にアルプスの酸素を吸って今回の目的であるガスで煙る不帰に向けて頂きをあとにする。
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山荘前より唐松岳を望む |
剱立山連峰 |
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山頂より砂礫の道を下り、三峰に登り帰す。
まだ険しさは無く歩きやすい道が続くが岩の道が次第に多くなってくるので足元には注意。
二峰へは再びジグザグの砂礫を登る、振り返ると唐松が驚く程高く見えキレットを渡っている実感が沸いてくる。
振り返ると唐松が驚く程高く見えキレットを渡っている実感が沸いてくる。
黒部側の岩の露出した斜面をトラバース気味に進み少し登って尾根を行くとニ峰南峰に到着し、
ここで一休みしこれからの難所に備える。
二峰北峰からは、女性のキャアキャアという声がこだましガスの中にキレット核心部の雰囲気を感じ取ることが出来る。
南峰からは左右切れ落ちた痩せ尾根を慎重に進み、北峰の斜面をひと登りするとピークに達し、
ここからの下りが登山者の不帰の嶮となる。 |
唐松岳山頂
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これから向かう不帰ノ嶮 |
二峰ピーク |
南峰からの痩せ尾根 |
南峰から北峰へ |
南峰から北峰へA |
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ピークより切り立った岩場を慎重に下り、クサリ場を通過して草付きの岸壁の下をトラバースして行くと谷を渡るようにつけられた鉄の橋に出合う。
足元が切れ落ちているので、バランスをとりながら慎重に通過すると今度は斜めに岩場を下るように30m程のクサリ場が続きスタンスを確保しながら進む。
この長いトラバース状の鎖場をクリアすると一峰とニ峰の鞍部に到着し、石ゴロの急坂登り帰して一峰のピークに立つ。
一峰のピークは不帰の核心部と天狗の大下りの間に位置し、剣の勇姿も望まれる空中庭園のような雰囲気があり好きな場所の一つである。
数年前に単独で訪れたときはこの場所が気に入り1時間程のんびりと昼寝したのを懐かしく思いながらピークをあとにする。
*キレット…以前に比べるとニ峰直下の緊張間のある一枚岩の渡渉がなくなり大分楽になっているが
それでもクサリ場が連続するので岩場を舐めることなく慎重な行動が必要である。
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ガスの中に浮ぶ一峰のピーク
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二峰上部の岩場 |
クサリ場 |
草付きトラバース |
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鉄の橋 |
岩場のトラバース |
一枚岩のクサリ場 |
一峰ピークより黒部側の石ゴロの道をゆっくりと最低鞍部に下り、首が痛くなるぐらいに見上げるような天狗の大下りの登りに入る。
ザレた道がジグザグに続き20歩程進んでは立ち止まり息を整える繰り返しが延々と続き、さすがにバテ気味になる。
当サークル一番の健脚割り箸氏は疲れを知らないのか、常にはるか前方を進み追いかけるのがきつい。
途中にある一枚岩の長い鎖場を三点支持で通過し、ガスで煙る不帰の剣に笑われながらも何とか大下りを登り終える。
天狗尾根に上がると穏やかな道が続き、砂礫には高山植物の女王コマクサもちらほら顔を出し快適な稜線散歩となる。
前方に小山のような天狗の頭が見え出す頃になると信州側よりガスが沸きはじめるが、かえって雰囲気のある登山道に変化し
天狗の頭を通過すると、ガスの中に本日の宿泊予定地である天狗山荘を確認する。 |
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天狗尾根で出合った雷鳥 |
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天狗の頭と尾根 |
信州側からガスの湧く稜線 |
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