南岳新道

山行日:8月18,19日
天候:風雨強し
コース:18日 新穂高温泉→槍平小屋→南岳新道→南岳小屋→南岳→天狗原→槍沢ロッジ
19日 槍沢ロッジ→横尾→上高地

夜行バスで新穂高に入る。
ここより穂高に入山するのは初めてで、午前5時15分バスターミナルを出発
長い林道を歩きはじめる。
退屈な林道歩きを40分程続けると穂高非難小屋に着く。自分より遅く出た人が
先に小屋で休憩しており、おやと思いながら訪ねてみると、途中に近道があった
そうでどうも下ばかり見ていたので見逃したようである。
穂高非難小屋

非難小屋からさらに林道は続き、穂高登山口の白出小屋を過ぎると、ようやく林道が終わりになり、

沢をわたり樹林の中の登山道に入って行く。
チビ谷までなだらかな道が続き、快調に歩くことができる。雨模様の空を心配 しながら、チビ谷の小岩で休憩を取る。

藤木九三氏のレリーフへの挨拶もそこそこに、足を急がせる。滝谷から少し急な道を登り

川原状に開けて道をしばらく進むと前方の樹林の中に洒落た槍平小屋の屋根が見えてくる
チビ谷 親切な表示 滝谷

槍平小屋で遅めの朝食を取りしばしの休憩後、小屋横より南岳新道に入って行く。

樹林帯をしばらく行くと大きな沢に出、ガラ場を斜めに登るように横切ると本格的な急登が始まる。
樹林の中に急登が続き、はしごの連続で短時間に高度を稼ぐことができるが、その反面膝への負担が厳しく久しぶりにきついな
と思う登りである。
森林限界を過ぎて這松の間にかけられたはしごを抜けてゆくと先行の登山者が下りてきており、話をお聞きすると
風が激しく尾根道が厳しいとの事。とりあえずはもう少し上までとさらにはしごを登ると、白い救急箱の設置された場所に出る。
救急箱を見て気を引き締め直し、ちょっとした岩場を登ると【めちゃめちゃ急な下り】のカンバンがあり急登が終わり
を告げた事を理解するが、その前方にガスの中に両端の切れ落ちた尾根道が姿を現す。

樹林帯の急登 這松の中に続くはしご お世話にならないように カンバン
尾根道に付けられた木道を進むが、風がきつく立って歩くのが
怖いところもあり、結構な緊張感である。晴れの日にここを通過
できれば快適であろうなと思いながら、ガスと強風の中慎重に足を運ぶ
尾根道を通過し、南岳のザレ場をひたすら登り、最後の木の橋を這うように
渡って、12時30分南岳小屋に到着。

長く続く尾根道 もうすぐ小屋丸太橋

ガスの中に続く木道

小屋でラーメンを食べしばらく天候の回復を待つも、台風の影響で刺激された前線は衰える気配がなく、明日も天候の悪化がさらに
予測される為、本来の目的であるキレット超えを断念し、下山の判断をとる。
13時20分、ガスの中お世話になった小屋を発ち南岳山頂に向かう。
15分程で山頂に着くもガスと雨で視界はまったく無し。横尾尾根の分岐よりクサリ場を雨にぬれながら下り、
長々と続く岩の道を氷河公園へと足を進める。

氷河公園までは岩場やクサリ場も多く、雨とガスの濃い日は慎重な行動が必要である。
天狗池の淵を歩き、少し登り返して天狗原へと進みガレ場を横切るように通過し、槍沢からの分岐に到着。

南岳山頂 横尾尾根上部のクサリ場 ガスに煙る天狗池

天狗原の分岐で小休止し、大曲まで下るとあと緩やかな道を槍沢ロッジまでのんびりと歩くだけである槍沢ロッジに16時30分到着と
少し予定よりも時間がかかったが、新穂高からの1日を終わる。

槍沢で十分な睡眠を取り、朝山頂方面の空を見ると雲の流れは早いが、嵐の前の好天のようである。少し判断が早かったと思うも慎重
に越したことなし、山は逃げずを言い聞かせ上高地へと下山する。
後ほど当日の様子を聞いてみると、風が強くキレット越えは厳しかったようである。