鈴鹿鎌ヶ岳
稲ヶ谷よりニゴリ谷を遡上し岳峠より山頂

山域:鈴鹿 登頂回数19回(撤退4回)
山行日:2014年10月25日
メンバー:単独
天候:見事な晴れ
コース:雨乞稲ヶ谷登山口(8:40)→松山谷(9:00)→ニゴリ谷・ロクロ谷二股(9:22 9:30)→鎌西壁(10:50)→
岳峠(11:05 11:13)→山頂(11:27 12:37)→武平峠(13:12 13:15)→稲ヶ谷(14:00)
駐車場:稲ヶ谷登山口 5台程度  トイレ:ナシ

鈴鹿山系南部に位置する鎌ヶ岳は、天を突くピラミダルな山容が関西の槍、あるいはマッターホルンと称され
展望の良さと合わせて多くの登山者の方に愛されている人気の山であり、山休のお気に入りでもある。
登山道は三重県側に多くつけられており、湯ノ山温泉を登山口とする長石谷、尾根コース、水沢岳より縦走する鎌尾根コース
宮妻渓谷より登るカズラ谷コース、そしてスカイラインより簡単に頂に立てる武平峠、三ツ口コースなどがある。

滋賀県側も先人達がつけてくれた稲ヶ谷より入るニゴリ谷、ロクロ谷、松山谷、尾根の各ルートがある。
友人が所有する昭和56年版の地図にはニゴリ谷実線、松山谷・ロクロ谷破線の記載があるが、現在は記載されていない。
ニゴリ谷はテープマークもあり歩く人もいるようであるが、松山谷、ロクロ谷はなごりのテープマークを時たま見るも歩く人はほとんどいない。


天気予報は快晴! それでは鈴鹿へ出動しなければと枚方を午前6時50分に出発。
ニゴリ谷から鎌ヶ岳を予定し、新名神土山より鈴鹿スカイラインを快調に走って雨乞登山口の稲ヶ谷に8時30分に到着。
スカイラインラインを少し戻って東芝山岳会のプレートの架かるガードレールを跨ぎ稲ヶ谷からの流れに下りて行く。

雨乞岳稲ヶ谷登山口 東芝山岳会のプレー 稲ヶ谷からの流れを渡渉

流れをを渡渉し、スカイラインの出来る前の旧道を少し歩いて野洲川の川原へ。
前方に松尾川との二股があり真中の崩れた部分にニゴリ谷へのルートがつけられている。
*3年ほど前の大雨で中堤は崩壊している。
旧道 野洲川の川原を歩く 二股真中を進む

二股よりしばらく右岸の荒れた旧道を歩き鹿ネットの放置されているところより川原に下りると松山谷となる。
川原を横断し樹林を抜けると本流の沢となり、渡渉して踏み跡と古びたテープマークに沿って左岸の樹林帯をしばらく進む。

旧道 旧道に放置された鹿ネット 松山谷の流れ(ほとんど伏水

右岸に見える崩壊地を目印に沢筋へと下りる。
今日は水量が少なく迂回コースを取らずに大岩、小岩の重なり合う沢筋を遡上して行く。
水量の多い時や沢歩き、ガレ場歩きの苦手は人は旧ルートである右岸、左岸の迂回コースを取ると良い。

この谷筋では今までイノシシ以外と遭遇したことが無いのであるが、今日はじめて人間と遭遇!
岳峠より下ってきたとの事でなんだか嬉しい気分で話が弾む。

右岸の崩壊地を目印に谷筋へ 谷筋を遡上・・・両岸の木々も色付きを見せはじめてくる。

沢筋を歩きはじめて10分程でニゴリ谷、ロクロ谷の二股へ着く。
この辺りの紅葉は見頃で写真をパチパチと撮りニゴリ谷本コース前の大休憩。

ニゴリ、ロクロ谷二股 歩いて来た沢筋を振り返る 左ニゴリ谷、右ロクロ谷
二股の紅葉ニ景

休憩後ニゴリ谷とロクロ谷の間にある小岩を登り、樹林帯を経由してニゴリ谷に入ってゆく。
しばらくは沢歩きが続き浮き石に注意しながら高度を上げて行くと右手より大きいな枝沢が合流してくる。
*沢歩きであるが登山靴でも十分歩ける傾斜である。

ニゴリ谷沢ルート風景
ゴロゴロの岩が沢を覆う 美しい小釜 小滝
ナメ滝を通過 右より枝沢が合流 沢筋を振り返る

枝沢を過ぎるとニゴリ谷は伏流水となり左岸沿いの苔むした岩の目立つ薄暗い樹林帯へと入ってゆく。
踏み跡は落葉でわかいにくいがテープマークや先人が積んでくれたケルンが目印となり迷うことは無く、
やがて一筋の滝まで来ると上部に鎌が見えてくる。

左岸樹林帯へ道をとる・・マークあり 一筋の滝 左上部に鎌の頂がちらり

樹林帯を直進すると旧岳峠標識へとルートが続いているのでるが、チラチラと見える西尾根の白い壁と紅葉が気になり
進路を西尾根方向に取り、重なり合う大岩をトラバースするように登って行く。

岩の間に落ち込まないように慎重にルートを探り、西壁直下のガレ場へと抜け出る。

紅葉と大きな岩をトラバースするように標高を上げてゆく・・・ルートは自分で決める。
飛び出した西斜面のガレ場・・・中央奥が鎌山頂

突き当たりの壁近くまで浮石に注意し、尾根上部の紅葉を楽しみながら進む。
壁を登り西尾根に出て山頂へのルートも考えられるが、ヘルメットを持ってきていないので右へ大きくトラバース。
このトラバースが冷や汗ものであった。

斜度はきつくないが風化した花崗岩のザレ場となり、スタンスとホールドがうまくとれない。
落ちても大怪我はしないだろうが無傷ではいなあと足の指先と手の指先に力を入れて慎重に本峰下を廻り込んでゆく。

尾根の紅葉 本峰を廻りんでゆく ザレ場のトラバース

なんとか本峰直下のルートへ出て鎌尾根を右に見ながら四つん這いでガレ場を登り切り岳峠へ飛び出す。
岩壁より突然登山道へ出たのでお食事中のご夫婦をびっくりさせてしまい、熊ではありません人間ですとペコリ!

岳峠は山頂、長石谷、宮妻渓谷、鎌尾根との交通の要所であり大勢の方が往来しておられる。

岳峠へのガレ場のルート 岳峠に咲くリョウノギク 鎌尾根と岳峠(左:長石谷 右:ニゴリ谷)

岳峠からは本峰と小ピークのルンゼ状のルートから岩道をひと登りして頂の立つ。
山頂には各方面よりたくさんの方が登られておりザックを降ろす場所を確保するのも苦労する程の賑わいである。

展望と食事を楽しみ、岩に腰掛けて1時間程の時を山頂で過ごす。

ルンゼ状のルートを登る 小ピークの紅葉 鎌南側山頂
鎌ヶ岳山頂からの展望
滋賀の名峰綿向山と雨乞岳
鈴鹿の奥座敷イブネとクラシ
噴煙を上げる御嶽山・・・合掌 盟主御在所岳 鎌尾根より鈴鹿南部の山々

下山は胸突き八丁の岩場を一気に下り、整備された登山道を武平峠へ。
そこからスカイライン紅葉を楽しみながら40分程テクテクと歩いて稲ヶ谷へと戻る。

胸突き八丁の下り 武平峠へ整備された登山道 武平峠
スカイラインの紅黄葉、元気に咲いていたアケボノソウとハナニガナ