武奈ヶ岳北稜
正面谷からコヤマノ岳経由武奈山頂、北稜からスゲ原、八雲ヶ原を周回

山域:比良 登頂回数65回
山行日:2014年2月23日
天候:曇りのち午後より快晴
メンバー:単独
コース:イン谷(8:55)→大山口(9:09)→青ガレ・金糞滝(9:44 10:00)→金糞峠(10:30 10:35)→(南尾根経由)→コヤマノ岳(11:42 12:57)
→武奈山頂(12:25 12:54)→北稜→細川越(13:16)→広谷(14:00 14:07)→八雲ヶ原(14:35)→
北比良峠(15:00 15:16)→大山口(16:01 16:04))→イン谷(16:15)
行動時間:7時間20分(歩行5時間49分  休憩1時間31分)
駐車スペース:イン谷周辺に多数あるものの土日祭は混雑している


比良方面が午後より快晴の予報!・・・これは行かねば!
予定していた鈴鹿藤原岳、三峰山を後日にして1月に歩くことの出来なかった武奈北稜を周回してみようと午前7時30分枚方洞ヶ峠を出発。
第二京阪より阪神高速京都線を走り、山科より湖西道路に入る。今日は交通渋滞も無く8時35分登山口イン谷に到着。

日曜日の為、いつも停めているトイレ前駐車スペースは満車状態で少し戻って道路沿いの空きスペースに車をキープ。
準備に少し手間どりながらも8時55分、交通の要所金糞峠に向けていろはもみじのトンネルくぐってゆく。

車窓より堂満岳 満車状態のトイレ前駐車スペース いろはもみじのトンネル

下山予定の大山口から正面谷に入り、水場で一口喉を潤す。
かくれ滝を今日はパスし砂防ダムを越えてた山側道に上がると重装備をした登山者が5.6人、おそらくルンゼであろう。
青ガレまではスムーズに到着し、ここで休憩しこれからの急な登りに備えてアイゼンを装着。

下山予定の大山口 かくれ滝分岐 青ガレを行く先行者

金糞滝に寄り道をして行こうと堤横の第三ルンゼ取り付きの急斜面を膝まで埋まりながらひと登り。

金糞滝と一年ぶりの会話を交わしていると横を重装備をした5.6人の方が第三ルンゼ目指して登って行かれる。。
山休も付いてゆきたい衝動に駆られるが、技術も装備も体力も無くくやしげに見送る。。。

金糞滝 堂満第三ルンゼへ向う方々

堤下に戻りしっかりと雪の張り付いた急斜面を黙々と登る。 青ガレはある程度の積雪がある方が登りやすい。
振り返るとマザーレイクが輝きを放ちだし、これからの天候回復を約束してくれる。

青ガレを過ぎ崩壊地を越えて谷筋に入り、峠手前の急坂を何度も立ち休憩を繰り返して登り切ると金糞峠だ。
青ガレを登る マザーレークが光る 峠手前の急斜面

金糞峠で一息入れてキャンプ地のある谷筋へと下り、八雲ヶ原分岐より木橋を渡る。
前回ラッセルで苦労した武奈最短コースの標識を右に見て大橋分岐よりヨウキトウゲ谷に進み沢を渡って南尾根ルートへ。

このルートは春から秋にかけてテントを張られている比良仙人さんが20年ほど前に開拓されたルートで、
今は正面谷から武奈へ向かう登山者のメインルートになっており、山休は敬意を込めて仙人新道と呼んでいる。


金糞峠 木製の小橋 大橋、中峠分岐

今日の南尾根は良く踏まれており、前回壷足で苦労したのがウソのように歩き易い。
杉林の急坂を気持ち良く登り自然が作り出すメルヘンチックな門をくぐるとブナ林と青空が広がりを見せはじめる。

沢を渡り南尾根へ 良く踏まれた南尾根ルート 雪の門

青空が広がり『おぉ! いい感じ』と思いながらブナ林を歩いていると左足太腿に違和感・・・!
しばらく騙し騙し登っているとついに太腿が攣ってしまい歩行停止に! 前回より楽しているのになぜ!年齢!睡眠不足!
山休よ若いつもりでももう若くないぞ!とブナ達に笑われてしまう。

撤退の文字が頭にちらつくも亀足で何とかコヤマノ岳まで到着し、屈伸運動を繰り返してして足をほぐす。
正月の綿向で右ひざ痛、1月の西南稜で両太腿、そして今回と常のストレッチの大切さを痛感!

南尾根上部のブナ林 コヤマノ岳 釈迦岳展望

スノーシューに履き替えると幾分ましになり、ブナ林の中をイブルキのコバからの合流点までゆるやかに下る。
前方に長大な武奈頂上稜線が姿を現す。
いつみてもすばらしい眺めだ。

合流点からは夏道沿いに付けられているトレースを辿り65回目の山頂に立つ。
山頂には坊村ルートより登ってこられた大勢の登山者がおられ、展望と樹氷を楽しみながら至福の時間を過ごされている様子。

武奈ヶ岳二景
歩いて来たコヤマノ岳 蓬莱山 西南稜

山頂標識にタッチしたあと展望と樹氷を楽しみながら昼休憩に!
ここで本日二度目のトラブル・・・コンロが不調で火力が強くならない ガク! ラーメンをあきらめて
コンビ二でポットに入れてきたコーヒーと非常食でなんとかお腹を満たす。 やれやれ!

山頂標識と 賑わう山頂 ツルベ、オグラス、湖北の山々
山頂の樹氷

昼休憩後、さあ! いよいよ北稜の下りへ。
一年ぶりの北稜は見事な雪庇を作っており、トレースも細川越へ二本付いている。
雪庇側に付けられた真新しいトレース沿いをスノーシューで下ってゆく。程よくクッションが効いて気持が良い。

厳冬期に北稜を下るのは3回目であるが、過去2回、そして今日も太陽が顔を出し
山休にとっては相性の良い稜線である。

細川越へ下る 真新しいトレース

快調に下りスゲ原への下降点を探すもうまく見つけられず、とりあえず細川越まで下ることに!
細川越も雪庇が大きく張り出して降りられずツルベ方面に少し登った小ピークより尾根筋を降りてゆくことに!

気持よく下った北稜・・・思わず鼻歌も
北稜風景・・・画像をクリックすると大きくなります。

小ピークで地図を確認し、樹林帯の尾根筋を膝までのアルバイトラッセルをして谷筋へ降りると
薄っすらとしたトレース跡が付いているのを見つける。

下降点より北稜を振り返る・・・画像クリックで拡大 この尾根筋を下降

今日はまだ誰も歩いていないようだと思いながら消えかけのトレースをテンポ良くある歩いていると
右北稜側よりクラシックワカンの真新しいトレース跡が!

帰宅後分かった事であるが、ネット仲間のヨネちゃんが山休より30分程先行されていたようでる。
もう少し武奈山頂に着いていれば遭遇できていたのにと・・・誠に残念!

気持よく歩けたスゲ原・・・途中よりワカントレースあり 大学の小屋

細川越直下より30分程スゲ原のスノートレッキングを楽しむとイブルキのコバへの分岐広谷へと着く。
ここでスノーシューからアイゼンに履き替えて雪に埋もれた小橋を渡りイブルキのコバへと登り返して行く。

お役目ご苦労さん 広谷の雪原 雪に埋もれた小橋

イブルキのコバからは元スキー場Aコース下を通過して八雲ヶ原に出、北比良へと登り返す。
久しぶりのロングトレとシャリバテが重なりこの緩やかな登りがなかなか手ごわい・・・ガス欠気味で北比良に到着し、
元ロープウェイ乗場の大石に足を投げ出して大休憩!

ザックをごそごそとし少し残っていたビスケットを胃に放りこんでエネルギー補給。
イブルキのコバ 青春の思い出・・・元スキー場 八雲ヶ原

北比良峠より白く光る武奈に別れを告げてダケ道をバテが来る前に急ぎ足で下り、大山口で
アイゼンとスノーシューを洗ってイン谷へと下山。

元ロープウェイ乗場北比良 武奈にお別れ・・・画像クリックで拡大 大山口

樹氷あり、展望あり、太陽あり、雪庇あり、雪原あり、ラッセルあり、ルートファイティングあり トラブルあり、バテありと
120%楽しませてもらった武奈に感謝をして枚方へと車を走らす。