厳冬の鎌ヶ岳
カズラ谷より岳峠にて撤退の記

山行日:2012年1月23日
天候:曇りのち冬将軍来襲
メンバー:単独
コース:宮妻渓智駐車場(9:35)→カズラ谷登山口(9:39)→タコ松さん(10:25)→雲母峰分岐(11:10)→岳峠ピーク(11:50 12:00)
→雲母峰分岐(12:20)→宮妻渓駐車場(13:35)

駐車スペース:宮妻ヒッツテ林道沿い10台程度 カズラ谷登山口にもあり。

鈴鹿山系南部に位置する鎌ヶ岳は、天を突くピラミダルな山容が関西の槍、あるいはマッターホルンと称され
その展望の良さと合わせて多くの登山者の方に愛されている人気の山である。
登山道は三重県側に多く付けられており積雪期は長石尾根、カズラ谷から登られる人が多い。


宮妻渓からは入道ヶ岳へのコースも何本かあり一般的には新道経由と水沢峠からイワクラ尾根コースが人気となっている。
又春秋のメインシーズンには水沢岳から鎌尾根の縦走を楽しむ登山者も結構多い。


新年度2度目の山歩きをお気に入りの鈴鹿鎌ヶ岳へと決め、娘のアッシーを済ませた午前7時20分樟葉を出発。
京滋バイパスから新名神に入り、甲南PAで大事なトイレ休憩を済ませて鈴鹿インターより登山口のある宮妻渓へと車を走らす。
サークルの相棒である5g二等兵も先発隊として湯ノ山温泉より長石尾根経由で鎌を目指しているとのこと。

9時20分1台の車も止まっていない駐車場に到着し、準備に励む。
昨年同コースより鎌に登り、山頂手前のルンゼ状の急斜面で苦労した反省よりピッケルをザックにくくりつけて
9時35分カズラ谷登山口へと脚を向ける。

宮妻渓駐車スペース カズラ谷登山口

カズラ谷登山口からすぐに沢を左岸に渡る。水量が多く飛び越えようとしてドボンと幸先良く!水の洗礼を受ける。
少し歩いて再びカズラ谷の流れを右岸にドボンしないように慎重に渡り返すと大きな砂防ダムが見えてくる。

登山口より沢を渡る 沢を渡り返すと対岸に続く登山道 前方右手に砂防ダム

枝沢の小さな滝を左に見ながら砂防ダムと滝の間の壁を高巻くようにして上部へと抜けて行く。
上部に出ると道は穏やかになり天候の回復を期待しながらのんびり進むと登山道脇に脚を張り出したタコ松さんに着く。

枝沢に落ちる滝 滝上部は穏やかな道が続く 脚を張り出したタコ松さん

春秋のシーズンは滋賀側から鎌に登ることが多くタコ松さんとも一年久しぶりの再会となり話が弾む。
ちなみにタコ松さんは山休が勝手につけたニックネームで本人は不満に思っているかも!

登山道脇の石に腰掛けて一息入れているとピッピとメールの着信音が!
長石尾根より鎌をめざしていた5g二等兵さんより悪天候の為本峰手前より撤退するとのメールである。
こちらではまだ荒れた天候にはなっておらずとりあえず前進を続けることに。

たこ松さんを過ぎると登山道に次第に雪が目立ちはじめてくるが、積雪は思いの他少なくアイゼン無しで十分。
雪が多いとちょっと嫌なやせ尾根を進み雲母峰との分岐まで来るとようやく冬山の風景となってくる。
痩せ尾根を通過 雲母峰にはガスはなくまだ安定 雲母峰との分岐

分岐にてアイゼンを装着。標高が上がり出すとにわかにガスが現われて視界悪くなってくる。
鎌尾根取り付きの急な登りに入ると昨夜の新雪がトレースを隠し膝まで埋まるラッセルを強いられ思わぬ苦戦!
木の枝を掴み、ピッケルを打ち込んでようやくピークに出ると目の前に鎌が・・・無い!
あるはずの鎌が無い! 昨年同じ場所より撮影した鎌

鎌尾根取り付きのピークからは目の前に見事な三角錘を見せてくれるのであるが、
今日はどこにあるかわからない、滋賀県側より押し寄せる冬将軍が完全に鎌を隠してしまったようである。

5g二等兵からの報告通り本峰は吹雪いているようであり、年齢から来る衰えで防寒手袋を車に忘れた手が
かじかみ出してこれ以上の前進は無理と判断し、今日は堪忍してあげることにして撤退へ!
鎌ヶ岳これで11勝4負・・・準優勝くらいかなあ!
下山はもと来たルートをセッセと戻り、雲母峰分岐、タコ松さんを通過し13時35分駐車場に戻る。
振り返るとガスの間より鎌が顔をのぞかせておりちょっと欲求不満で登山を終える。




下山後鎌が一時顔見せる!