冬の鈴鹿鎌ヶ岳
宮妻峡よりカズラ谷、鎌のピストン

山行日:2011年2月18日
天候:ミゾレ混じりの雪、強風のち曇りそして晴れ間
メンバー:単独
コース:カズラ谷登山口(09:21)→雲母峰分岐(11:07 11:11)→鎌尾根取り付き(11:42)→岳峠(11:48 11:55)
→山頂(12:18 12:42)→岳峠→雲母峰分岐(13:20 13:25) タコ松(14:00 14:10)→カズラ谷登山口(14:41)
駐車場:入道登山口、カズラ谷に多数あり


武奈西南稜より少し間の空いた18日、午後からの天候回復を信じて1月に道路凍結で断念した鈴鹿鎌ヶ岳へリベンジ登山へと向かう。
京滋バイパスから名神、新名神へと入り土山SAでモーニング休憩を取ったあと、コンビニで飲料・行動食を調達して登山口へ再び車を走らす。
登山口へ続く宮妻渓谷の道は凍結もなくスムーズに走れて、カズラ谷登山口の駐車スペースまで車を入れる。
先着の車は2台あるようであるがどうやら釣り人のようで登山者は無しの模様。この天気では当然かな!と準備を始める

青空に期待感が! 宮妻渓谷最奥の駐車スペース カズラ谷登山口

ワカンと6本歯のアイゼンをザックにくくり付け、ピッケルは必要ないだろうと車に置いてカズラ谷に入って行く。
すぐに沢があり、渡渉点を探すが雪解けによる増水でなかなか見つからずエィヤァーと石を飛ぶ。
対岸へ着地し、赤が似合う大台が近づいてきているが、まだまだだ行けるなあと自己満足。
さらにもう一度沢を渡りカズラ谷の右岸を進むと右手に大きな砂防ダム、左手の間ノ谷に5m程のに小さな滝を見る。


登山口よりすぐに沢を渡る 右手に砂防ダム 左間ノ谷の滝

春にはイワカガミが咲き乱れるこの滝を佐岸より巻いて登ると樹林帯の穏やかな道へと変わる。
駐車スペースでは明るくなりかけていた空がどんよりとしだし
根を倒れないぞとばかりに登山道に貼り付けたタコ松さんまで登ってくるとついにミゾレ混じりの雪へと天候が変化!

積雪とアイスバーンが目立ち出した登山道は、ここより急な斜面へと変化してゆくので、スリップ防止の為アイゼンを装着。
*タコ松は勝手につけている名前です・・・松ノ木さんゴメン!
滝上部は穏やかな道に! 根を登山道に下ろすタコ松 タコ松を過ぎると斜度が増す

岩の目立つ道をゆっくりと登り沢を渡って樹林帯に続く急な斜面を木に掴まりながら高度を上げてゆく
登山道には新しく積った雪がトレースを隠しだし、下はやわらかい根雪の為膝までのツボ脚歩行が始まる。

ワカンを着けるには中途半端でこのツボ脚が雪道では一番辛く、帰宅後の太腿痛と原因となる。
晴れた日には顔を見せてくれる水沢岳も濃くなりだしたガスで全く見ることができず、体力の消耗だけが目立つ!

岩の間を登ること多し 新雪でトレースはカクレ気味 ガスが濃くなりだす

雲母峰への分岐で一息入れ、さらにきつくなった風の音をききながら雪道をツボ脚前進を繰り返す、キツイ!。
鎌尾根取り付きに向けて最後の急斜面をあえぎながら登り切ると前鋭鋒のピークとなり、ガスの中に鎌の鋭鋒がはじめて姿を現わす。
立って居れないほどの程の強風で何とか写真を1枚撮り逃げるように岳峠へと下る。

雲母峰との分岐・合流点 鎌尾根側より見る本峰 白いルンゼがルート

岳峠には見事な雪屁が出来ており、踏み抜いて滑落しないよう慎重に渡って行く。
ニゴリ谷方面より猛烈な風が吹き、轟々と不気味な音を響かせており、鎌の頂へ続くルンゼ状の斜面に恐怖感が湧いてくる!

無雪には簡単に登れるルートであるが斜面に張り付く雪がルートを隠し、トレースも無い!登れるか!
前爪10本アイゼンとピッケルを車に置いてきた事を少し後悔、滑落すれば痛いやろなあと行くか戻るかと悩む。

雪に埋まる岳峠標識 雪屁を踏み抜かないように! 岳峠付近は雪の壁が

風を避け木に隠れてルートを探しているとガスが薄くなりだし、ルートのイメージが頭の中に湧き出していざ山頂へと決断。
滑落をしないように四つんばいでゆっくりと進み尾根筋へなんとか上がり山頂の鳥居を見る。
ジャンやキレットでも感じたことの無い恐怖感を感じる登りで会った。
四つん這いで登って来た斜面 岳峠を振り返る
鉄の鳥居も雪の中 鎌山頂 雪に埋まる祠

山頂につくとご褒美のように視界が広がり出し、鎌尾根がその荒々しい姿を見せてくれる。
鳥居前の雪壁で風を避けて簡単な食事をし、冬の鎌山頂を思う存分楽しむ
今日は時間がタイトで歩けなったお気に入りの鎌尾根、強風がガスを吹き飛ばして!

下山は自分でつけたトレースに脚を合わせて岳峠へと慎重に下ってゆく。
鎌尾根に取り付きのピークまで戻ると鎌が青空を背景に奇麗な姿を見せ見送ってくれているようである。
春先にニゴリ谷よりにまた来るぞと鎌と尾根に別れを告げる。

急斜面を下る 自分のトレースを忠実にたどる
青空をバックにした鎌 鎌尾根もクッキり

下山時は少しづつ天候も回復へと向かい、登りには見ることが出来なかった水沢岳も奇麗な山容を見せてくれる。
途中急ぎ過ぎて道を間違うトラブルと手袋を谷に落とすアクシデントがあったが無事カズラ谷に下山。
鎌ヶ岳10回目の頂は今まで以上に想い出深いものなる。


帰路は亀山市が経営するしらとりの湯、入浴料150円で温まり京都へ戻る。
登山道より水沢岳を望む 雪面にトレースをつける 下山後は鎌が良く見え出す