薬師岳
折立よりピストン

山行日:2009年8月17、18日
メンバー:単独
天候:晴れ無風

コース:初日:折立(7:11)→五光石ベンチ(10:17 10:25)→太郎平小屋(11:07 11:16)→薬師峠→薬師平(12:48 12:53)
→薬師岳山荘(13:57 14:15)→山頂(14:59 15:51)→山荘(16:12)
二日目:薬師山荘(5:50)→薬師平(6:14)→薬師峠(6:43 6:53)→太郎平小屋(7:06 7:43)→三角点ベンチ→折立(10:19)

駐車場:折立に多数あり トイレ:折立に完備 水場:太郎平小屋 薬師峠 峠からの谷筋
関西からのアクセス:名神、北陸道富山インターより43号線経由有峰林道


忙しい盆商戦が終わり一息ついた17.18日、白山での写真撮影大失敗を取り返しに北アの薬師岳に出かける。
ピークハントだけならば日帰りも十分可能であるが今日の目的は花の撮影であり、娘に借りた少し高価なカメラといつもの
押すだけカメラ、予備カメラあわせて3台をザックに入れ万全の体制で16日午後9時30分第二京阪よりETC割引を利用するように出発する。
北陸道姫御前で仮眠を取り4時40分再び運転を再開し、高速代より高価な有峰林道通行料1800円を払い折立に到着。

折立登山口駐車場 折立登山口バスの運行あり 薬師、雲ノ平、五郎への門太郎坂

林道通行料が京都からの高速代1500円に比べると便利さも忘れてやたらに高いなあと思いながらトイレを済まし太郎坂へと向かう。
太郎坂に入るとすぐに1963年(昭和38年)正月に豪雪と吹雪の中で13人が亡くなられた愛知大の慰霊碑があり手を合わす。

樹林帯に整備された緩やかな道をコツコツと登って行くとドクタースランプのアラレちゃんと遭遇し思わず休憩を取る。
愛知大遭難慰霊碑 整備の行き届いたありがたい道 アラレちゃんと遭遇

シラビソの中に続く道を立ち休憩をしながら進むとびっくりするような巨木に出会い、
何百、何千、何万もの登山者をこの巨木は毎年見守り続けているのであるなあと不思議な気持ちになり思わずここでも一礼。
巨木の横を抜けて行くと目の前の視界が開け重なり合う山並みの向うに薬師岳を見ることが出来る三角点ベンチに到着。
シラビソ林に続く登山道 何百歳の巨木! 1870m三角点べンチ
三角ベンチより重なり合う山並みの奥に薬師の稜線

三角ベンチから少し下って樹林を抜けると太郎平に向けて延々と続く遊歩道が姿を現わす。
遊歩道脇にはキリンソウ、イワショウブ、ミヤマママコナコなどの高山植物も顔を出しはじめてくる。
振り返るとエメラルドグリーンの水を貯める有峰湖がうつくしい。
アキノキリンソウ イワショウブ ミヤマママコナコ
伸びる遊歩道状の道 有峰湖が眼下に見える

広大な薬師岳を右に北ノ又岳の稜線を左に見ながら進む。広々とした大地の中では距離感と時間の感覚がつかみにくく
ペースが乱れ気味になるがところどころにベンチがあり休憩をうまく取ることが出来る。
休憩がうまく取れるというよりも実際はベンチの誘惑に負けて腰をおろしてしまうのがホント!
薬師を左に見て歩く 北ノ股岳の稜線が大きい 広大な大地と登山道

太郎平まであと少しの五光石ベンチまで来ると大勢の登山者の方が薬師岳を眺めながら休憩をしておられ
自分も仲間に入りまたまたの休憩で今日はほんとうにのんびりした山歩きである。

五光石ベンチを過ぎると左下に黄色い大きな花が目立ってくる、ニッコウキスゲの群落である。
遊歩道のように続く登山道脇にはタテヤマリンドウ、ミヤマリンドウ、イワイチョウの花が咲き青空の下で時間の立つのを忘れてしまう。
やがて木道の向こうに赤い屋根が見え出し、雲ノ平、薬師、五郎への分岐に立つ太郎平小屋へと到着する。
五光石べンチより薬師展望 五光石ベンチでくつろぐ登山者 木道の向うに見えてきた太郎平小屋
タテヤマリンドウ ミヤマリンドウ イワイチョウ
エゾシオガマ ニッコウキスゲ チングルマ綿毛

小屋前の広場に立つと雲ノ平を囲むように北アルプス最深部の名峰達がそのすばらしい姿で迎えてくれる。
雲ノ平を目の前に北ノ股岳、黒部五郎、三股蓮華、鷲羽岳、水晶岳そしてこれから向かう薬師岳と
いつまで見ていても飽きる事のない風景に溶け込んでしまいそうである。

売店で冷たいコーラを買い喉をゴクゴクと潤して、笑顔満点の家族連れの方に記念の写真を撮ってもらい薬師平へと向かう。
太郎平より…雲ノ平を囲む上:水晶 ワリモ 祖父と鷲羽 北鎌、三俣、双六 下:三俣、双六 五郎 北ノ股

小屋からは見事に整備された木道を雲ノ平からの風を頬に受けて気持ちよく進み急激に下降して薬師峠に着く
ここはキャンプ指定地になっており赤や黄色のカラフルなテントが4つ5つ張られておりみなさん山を楽しんでおられるのであろう!

太郎平中部山岳国立公園 薬師岳へ向かう木道 薬師峠のテント場へ下降

峠からは樹林帯の谷筋の急な道をゆっくりと登り抜け出るとお花畑が広がりありらこちらの花にカメラが向き前に進まず。
もともとカメラセンスの無い身、数打ちゃあたるとばかりに2台のカメラで5.60回カシャ、カシャ、パチリパチリとカメラマン気分。

薬師峠からは谷筋の急な登り 樹林を抜けて明るい谷へ お花畑が続く
薬師平と稜線で出会った花達
ウサギギク ウメバチソウ チングルマ
イワオトギリ ハクサンフウロ アオノツガサクラ
ヨツバシオガマ ハクサンイチゲ コケモモ

あとから登って来る人にどんどん置いゆかれながら明るい谷筋のお花畑をようやく通過してゆくと草原がひろがり薬師平に到着
木道脇に愛知大の遭難碑になる大きなケルンがあり、ここでも一礼をする。
薬師平からは大きな薬師の稜線を仰ぎ見ながらガレと砂礫と這松とそして高山植物を楽しみながら登行く。
薬師大の遭難碑ケルン 青空が奇麗 稜線に向けてお花畑を行く

稜線に上がると薬師の白い巨体と青空の見事なコントラストに迎えてくれる。
登山脇に秋の気配を見せるトウヤクりリンドウを眺めながらこじんまりとした薬師岳山荘に到着。

山荘に入るとやさしそうな笑顔で女性主人が熱いお茶で迎えてくれる…これはうれしい!
宿泊手続きをし、ザックを整理したあとまだ14時前なので山頂へと!
山荘へ続く登山道 薬師岳山荘
トウヤクリンドウ ミヤマコゴメクサ

小屋にザックを預けサブザックにカッパを水を入れて山荘裏よりガレ場の道を登り始める。
背中の荷物が軽くなったのでどんどんと前に進むものの広大な斜面は手ごわくなかなか頂上稜線に着かず何度も立休憩の連発。

石造りの避難小屋を過ぎると稜線に着きさらにカールを巻くように岩道を進んで山頂に立つ。
山頂からの展望はすばらしく、一時間近く多くの登山者の方と語り合いノンビリとした山の休日を楽しむ。
広大な稜線への斜面 避難小屋を過ぎると山頂稜線
山頂より歩いて来た稜線を振り返る 薬師岳山頂 山頂標識と?
北薬師岳と金作谷カール 岩に咲くミヤマダイコンソウ 山頂稜線に咲くチシマギキョウ