鷲羽、水晶、雲ノ平、黒部源流
初日:三俣山荘まで

山行日:2008年8月6日 7日
天候:6日雲後時々晴れその後ガス 7日晴れ時々曇り
メンバー:単独
コース 初日:新穂高温泉(6:00)→ワサビ平小屋(6:48 7:05)→鏡平(10:05 10:30)→弓折乗越(11:20 11:30)→
花見平→双六小屋(12:20 13:00)→三俣峠(14:45 14:55)→三俣山荘(15:20)
二日目:三俣小屋→鷲羽岳→ワリモ岳→ワリモ北分岐→水晶岳→水晶小屋→ワリモ北分岐→岩苔乗越→祖父岳→雲ノ平日本庭園
→黒部源流部→三俣山荘→双六小屋→鏡平→ワサビ小屋→新穂高温泉

8月5日(木)、久しぶりに仕事を早く終え会社近くの温泉で汗を流し、ここ十数年なかなか3連休が取れず
行きそびれていた裏銀座の名峰水晶岳と雲の平に向けて車を走らせる。
飛越新道から黒場五郎経由で入山するか、通いなれた新穂高から水晶に向かうか悩んだあげく、
仮眠後に答えを出すことにし山行時のベットスペースにしているひるがの高原サービスエリアに車を止める。
翌朝寝過ごしたこともあり新穂高からの入山に決めて、高山から乗鞍の麓を走り、平湯トンネルをくぐり
5時30分蒲田川の川原にある無料駐車場に車を止める。

支度を整えて5時45分駐車場から新穂高バスターミナルに向かう。もい1時間早ければ雲ノ平までと思っていたが
さすがに無理かなと初日の行程を 三俣山荘と登山届けに記入し、蒲田川を渡り温泉街を抜けて左岸をワサビ平に向けて歩きはじめる。
小雨の道を30分程歩いて笠新道の取り付き点に付く頃になるとほぼ雨も上がり、登山道脇で高山植物が迎えてくれる。
新穂高バスターミナル 笠新道分岐 ノリウツギ ホタルブウロ

笠分岐よりから10分程で樹林帯の中に建つワサビ平小屋に到着し、軒先を借りて雨具を脱ぎコンビニで仕入れた朝食を採る。
小屋付近は見事なブナ林になっており食後はさわやかな気分で樹林帯を抜け、 秩父沢に掛かる大きな橋横を通過して伊藤新道に入って行く。

川原を歩き奇麗に整備された石段の道を登りはじめるとお日様が顔を見せ始めて、『それ以上汚い顔になると近所の人に合わせる顔がない』と
奥さんが強制的に持たせてくれた日焼け止めクリームをごしごしと顔に塗りたくる。…もう手遅れと思っているが!
ワサビ平の小屋 見事なブナ林の中を行く 整備の行き届いた伊藤新道

樹林帯に続く石ごろの道を淡々と登り、チボ岩、イタドリヶ原、シシウドヶ原を順調に通過して、熊野踊り場と呼ばれる小さな湿地帯に付くと
保護の為に設置された木道脇に 先日の涸沢への登山道にも咲いていたキヌガサソウが見事な☆マークの花を咲かせており
今回も晴れの山旅になるなあと幸運の女神に思わず手を合わす。
チボ岩付近 石の道が続く 熊の踊り場 幸運の☆マークキヌガサソウ

踊り場からはクルマユりが群生を形成している斜面を登り、先行する高校のワンゲル部の後を追いかえるように笹の中の石畳を抜けてゆくと
木道があわれる。まもなく鏡平だなと思いながら木道をトントントンと歩いて有名な鏡池に到着。
クルマユリ 笹の中に石畳 鏡平手前は木道が続く

鏡池に映る槍は!…残念ながら恥ずかしいのか頭隠して…でガスから顔を見せずじまい
それでもまあまあの展望に納得し、鏡平の小屋で水分補給の休憩をし弓折岳への急な登りに備える
ガスの晴れるのを少しまってみるが見えそうで見えない槍の穂先

鏡平の小屋からひょうたん池の木道を通り樹林の中を登って行くと弓折岳へ向けての広大な斜面が目に入ってくる。
これはきついなあと思いながら登り始めると登山道脇にたくさんの高山植物が咲いており何度もデジカメでパチパチ撮っているうちに
お花畑の中にポッカリとした空間を作っているような弓折乗越に着きここで一息入れる。
一昨年同じくここで休憩を取った時はとろけるような暑さでバテていたのとは大違いで今日はまだ元気!
弓折乗越へ続く広大な斜面 乗越より鏡平を望む
弓折乗越への急な登りに元気を与えてくれた花達
チングルマ ミヤマギンバイ ハクサンイチゲ
ミヤマトリカブト キンコウカ ハクサンフウロ

弓折乗越より稜線にでるとあいにくのガスで槍、穂高は姿を見せてくれていないが、
足元には高山植物が咲き乱れ押すだけデジカメで パチリパチリと撮影しながらの楽しいトレッキングが続く。

稜線上にある雪田で先程小生を簡単にパスされた女性が花の写真を撮っておられ挨拶してお話をすると
鏡平の小屋で長期のアルバイトをされているそうで小屋での仕事や花、北アルプスの会話を楽しむ。
山に入ると同じ趣味の人達と老若男女を問わず飾りのない話が出来るのも山の楽しみであるなあとあらためて思う。

稜線上に残る雪田…周りは高山植物が咲き乱れる 花見平と呼ばれるお花畑
ヨツバシオガマ ミヤマリンドウ ニッコウキスゲ

鏡平の小屋に戻られる女性と下山時の再会を約束して花見平を通り双六小屋へと足を向ける。
ちょつとしたアップダウンを繰り返して進むと双六岳と樅沢岳で作られたVゾーンの向うに鷲羽が、その中心に双六小屋の赤い屋根が見えてくる。
双六池に向けて下りはじめた背丈程の樹林帯に続く岩道を抜け出ると木道となりチングルマで飾られた池横を通過して小屋に到着。

歩いて来た登山道と雪田を振り返る 前方のV字の中心に建つ双六小屋
双六池に咲くクロユリ チングルマとコイワカガミが池を飾る

大勢の登山者で賑わう小屋のベンチで特性のラーメンをお腹に入れてエネルギーを満タンにする。
三俣の小屋へは稜線伝いの道と巻き道があるのであるがどちらから向かうか悩みながら小屋横の這松帯の急な道をゆっくりと登って行く。
分岐に着き双六岳を見上げるとガスで全く確認することが出来ず下山時に山頂を通過することに決めて巻道に足を向ける。
賑わう双六小屋 双六岳への這松帯の登り 稜線コースと巻き道の分岐

巻き道は双六岳と三俣蓮華岳の稜線下を通っており、雪渓やガレの急な下りがあるものの全体的アップダウンが少なく歩き易い。
なにより高山植物の宝庫のようにいろりろな花が咲き乱れて花街道のような感じである。
花好きの人には超お勧めコースだなあと思いながらここでも下手な写真を何枚も撮り2時間弱をかけて三俣峠に着く。

まだ残る雪渓 ガレの長い下り 花の中に続く登山道
ハクサンフウロやキンポウゲが咲き誇る ハクサンイチゲの群生
三俣峠でひと休憩を取ったあと這松帯を下り三俣の小屋にザックを下ろす。
キバナシャクナゲ 三俣蓮華のキャンプ場(左) 今日の宿三俣山荘と鷲羽岳