正面谷より武奈ヶ岳

山行日:2008年1月15日
天候:晴れ
メンバー単独
天候:ほとんど晴れ
コース:イン谷口(9:20)→青ガレ(10:04 10:10)→金糞峠(10:51 10:58)→牛コバ分岐(11:05)→中峠(11:52 12:00)
→コヤマノ岳(12:28)→武奈山頂(12:53 13:51)→八雲ヶ原(12:25 12:33)→北比良(14:」48)→大山口(15:50)→駐車場(16:00) 


昨年と同じ1月15日、今年の初登山として比良の武奈を目指して少し遅めの7時30分八幡男山を出発。
坊村から御殿山経由にするか、正面谷から金糞峠経由にするか悩んだあげくネット友人で滋賀のchikaさんが先日登られた
コヤマノ岳経由に決め湖西道路を終点まで走る。 道路凍結も無く9時00分正面谷の駐車スペースに到着し、
まばらな雪景色の中で朝食を採ったあと用意を整える。

ザックにアイゼンとスノーシューをくくりつけ9時20分金糞峠目指して一歩を踏み出す。
砂利とコンクリートの道を10分程進むと大山口に着き下山はここからだなあと思いながら通過して行く。

足元は粗目雪で所処アイスバーン状になっているがアイゼンまでは必要なしで一歩一歩登り、隠れ滝の標識を過ぎてようやく
登山道の周りが雪で埋もれてくる。 砂防ダム横から山側に上がると白い登山道が青ガレに向けて伸びており気持ちよく歩けそうなのであるが、
どうもペースが上がらない。いつもより厚着の為なのか、体力不足なのか青ガレまで25分もかかってしまう。
大山口 青ガレへと続く登山道 青ガレ

黒と白のまだら模様の青ガレを見ながらヤッケを脱いで一息入れ体調を整えて気合を入れ直す。
青ガレは左側の踏み跡を雪に足をとられないよう忠実に登る。

青ガレを抜けると道は一旦穏やかになり崩壊地を越えて金糞峠へ向けての登りに入ってゆく。
谷筋を登るように続く道を大石、小石と所々に張り付いたアイスバーンに注意して何度も立ち休憩をしながら進むと
やがてV字の向こうにひらけた空間が見えだし、最後の急な登りをクリアして金糞峠に到着する。

峠手前は大石、小石の急登 金糞峠 峠から眺める琵琶湖

峠からは一度奥の深谷源流部に下り八雲ヶ原への分岐を左に折れてメルヘンチックな木の橋を渡って沢沿いを歩く。
沢沿いに続く道はバリバリと凍り付いており滑らないようにと足元の相棒に声をかけながら注意して進むと
やがて牛コバへの分岐に到着し、この分岐を今後は右に進みヨウキトウゲ谷へと入ってゆく。

このあたりまで来ると一面が雪に覆われ登山道も歩き易くなり、
現金なもので急な登りがなくなると体調も戻ったようになり軽快に足が前に進んでくれる。
谷筋に入ると小滝の横を歩いたり、沢を渉ったりと変化に飛んだ道が続き雪景色とあいまって飽きる事がない。
八雲ヶ原との分岐を左に 木で作られた小橋 牛コバとの分岐を右のヨウキ谷へ
小滝の横を抜けて行く ヨウキトウゲ谷風景

徐々に冬気分を味わいながら谷筋から杉林に入ってゆくと雪の深い時は道標をしてくれる大木があり、

その横をキュキユと雪を踏みしめて通過し、中峠への最後の登りに向う。

冬にしては日差しが強くここまでほとんど霧氷が見られなかったのであるが
峠近くまで登ってくるとようやく葉を落とした広葉樹も
あらたにあたらしい白い花を咲かせはじめているようである。
道標の大木 中峠への最後の登り

中峠は十字路になっており春や秋の比良登山最盛期には多くの登山者で賑わう場所である。
20年程前嫁と娘を連れてはじめて武奈に登ったのもこの峠からで
木の根に腰を下ろしながらわさび峠を経由して西南稜を歩いたのをなつかしく思い出す。

峠からは緩やかな傾斜の道を昨夜積もったであろう薄い新雪を踏みしめなが登ってゆくと
先行者が引き返されたのか途中でトレースが消えて樹林の中にまあたらしい白いじゅうたんが広がり、
足跡を付けるのを少し戸惑いながら40cm程の積雪を壷足歩行で進んでゆく。

中峠 コヤマノ岳への登り 積雪は40、50cmの壷足

キュキュと足元から心地良い音が響き、頭上には雪の花も大きな広がりを見せ最高の気分でコヤマノ岳に到着する。
比良では少し忘れかけられている頂であるが標高は1181mあり後ろから数える方が早く、
今日は霧氷の窓から伊吹山がきれいに見えている。

コヤマノ岳山頂 霧氷がきれい コヤマノ岳より伊吹山を望む

コヤマノ岳山頂からは再びあらわれたトレースをたどりイブルキからの合流点へゆっくりと下って行くと
前方の樹林の上には横に長く武奈の山頂稜線が見えてくる。

白く光る山頂には赤、黄色の色が混ざり快晴の空の下で展望を楽しんでおられる登山者の方々を確認する事が出来る。
合流点からは樹林の中を少し歩くと山頂への登山道が大きく抉り取られた溝のように続き、
両脇からはみ出す木々の枝に絡まないように屈むようにして登って行く。

やがて旧道との分岐に着き左の新道を選んで階段状の草付きをひと登りすると360度さえぎる物のない山頂稜線に到着する。
武奈の山頂稜線 武奈ピーク

山頂からは幾重にも重なる北山、眼下に広がる琵琶湖を越えて伊吹山から鈴鹿の連山、
北方には白山をはじめとする加賀から美濃の山々が展望でき今年の初登山をまるでお祝いしてくれているようである。
春をおもわせるような暖かい日差しの中で昼食を作り、登山者の方々と山の雑談をし1時間程山の休日を楽しむ。

武奈山頂と白山

下山は元来た道を中峠への合流まで戻り、イブルキのコバをめざしてどんどんと下ってゆく。
適度に引き締まった雪はクッションが効き歩き易くて気持ちが良い。

イブルキのコバを通過しスキー場跡にでるとリスト、ロッジの無くなった八雲ヶ原は広大な雪原になっており思わず『おお』と声を上げるが
私にとっては思い出のスキー場、ベンチに座り結婚前や娘が小さい頃に何度となく訪れていた頃を思い出し一抹の寂しさを覚える。
イブルキのコバ 八雲ヶ原 八雲ヶ原湿原

八雲ヶ原からは湿原の木道を抜けて一旦北比良に登り返してダケ道から下山をはじめる。
樹林の中をぐるぐると廻るように下り、所々のアイスバーンに気をつけて一気に大山口まで戻り、川原で靴を洗って今年初めての山歩きを終える。