本谷カールから南岳 

黄金平(11:35 12:15)→横尾尾根(13:50 14:00)→南岳(14:55 15:10)→南岳小屋(15:15)


岩の上で簡単な食事をしたあと大の字に寝転ぶと大自然の中にポツンと一人だけの世界が広がりもう帰りたくない、でも!
時間もまだ早いのでのんびりとしたいのであるが、はじめて歩く本谷カール先に何があるかわからず40分程休憩したあとザックに腕を通す。

目の前にはモレーン上に樹林が広がり何処を抜けて行くのか少し悩んだあげくとあるホームページで得た情報に従い大きな岩を
左巻いて歩きだすとかすかな踏み跡があり樹林帯を斜めに横断するように進んで本谷のすばらしいカール出る
モレーン上に壁のような樹林帯 大きな岩の上で大休憩 振り返ると屏風岩がモンブランケーキのように

カール底に残る残雪とガレ場を横尾尾根のスカイライン目指して好きな場所を高山植物を痛めないように自由に歩いて行く。
ほとんど人が歩いていないカールは踏み跡もテープマークも無くあるのは大自然のすばらしさのみ。

雪渓とガレ場を通過し横尾尾根の登りに入りると傾斜がきつくなりだし足元が不安定で何度もズリと滑りながら進む。
ガレ場の向こうに広がる横尾尾根とスカイライン 残雪・ガレ・草原を自由に歩く

コルに向けて真っ直ぐに伸びている
ガレを登って行き岩陰に入ると
一段と傾斜を増し
岩溝からはほとんど垂直近い岩が
立ちはだかってくる。


ここで滑落すると一大事と
何度か腕の力で岩を超えて
草付の急斜面に出る。

スベリ易い草付を四つん這いで
クリアして横尾尾根の
稜線に立つ。

横尾尾根にはどこを登っても
いいのだかガレ場から
途中で右に逃げるか
カール下から草付を
登った方が楽なようである。

いずれにせよ登山道の無い
バリエーションルート
どもルートを取るのも
自分自身の判断である。

本谷カールルート
ガレ場を真っ直ぐに登る 岩溝に向けて
岩登りの始まり 結構な高度感

稜線に立つと目の前に槍の穂先がスーと現れ本谷右股からカールをクリアしてきたことを
祝ってくれているのようにその独特の姿を惜しげもなく天に突き上げてくれている。
眼下に広がるカールを見つめ自己満足に浸ると見慣れた槍の穂先も今日は一段とその姿が美しく見える。

青空に突き上げる穂先…横尾尾根稜線より 歩いて来た本谷カールと屏風岩
本谷カールで出逢った花達
キンコウカ ソバナ シナノキンバイ ナナカマドの実

到着した天狗のコル上部からは歩きなれた横尾尾根の岩道をよいしょと登り二つの梯子と狭い岩尾根つけれたれ鎖付の道を通過して
槍穂高の縦走路に出、分岐より南岳への穏やかな稜線をのんびりと歩いて7度目となる3027mの頂に立つ。
特徴の無い頂であるがそこからの展望は北アルプス一番といっても過言ではなく小屋と共に人気があるのではと思う。
横尾尾根鎖場を登る登山者 尾根を上から見下ろす 天狗原への分岐にて
南岳山頂からの展望
笠ヶ岳 常念岳 穂高連峰 槍ヶ岳

15時15分南岳小屋に到着し、リーダに今年二度目の挨拶をしたあと夕食までまだ時間があるので小屋周りを散策し、
夕暮れの北アルプスの展望を楽しむ。笠ヶ岳にお日様が沈み出すと北穂滝谷と槍が赤く染まりだし幻想的な世界を生み出してくれる。
周りにおられる登山者の方々もただただ静かに一日の終わりを見送っているようである。

小屋の夕食は日の入り10分後と我々登山者に気を配ってくれており、北アルプスの夕暮れを十分に楽しだあとご馳走にありつく。
食後、この日限りの山仲間になった方々と星を見に外に出てみると中天には数え切れない星が瞬き、
天の川がゆったり流れているのを見て思わずおぅ!と発声。
横におられる女性登山者の方に星座の名前を教えていただきメルヘンの世界に入ったあと夢の世界に!

赤く染まる北穂滝谷と眼下にキレット 槍の夕暮れ
笠に沈むお日様 左に雲海に浮かぶ白山