鈴鹿 雨乞岳 
メンバー:単独
山行日:2007年4月11日
天候:薄曇り

コース:甲津畑登山口(8:20)→ツルベ谷出合い(9:05 9:10)→シデの並木(9:32)→杉峠(10:08 10:16) 
→雨乞山頂(10:40 11:25)→清水の頭(11:52)→ツルべ谷出合い(12:54 13:05)→甲津畑登山口(13:41)

鈴鹿の山でまだ頂を踏んでいない雨乞岳に登ろうと午前6時20分1.5gの水とこの山歩きよりあたらしい友となる
二代目モンベルアルペンクルーザーを車に積み込み、いつものように第二京阪八幡東入り口より高速に入り
京滋バイパス、名神を一路北上、草津で朝食休憩をしたあと、八日市インターで高速を降り、国道421号線を
甲津畑に向けて車を走らす。  永源寺手前で421号線を右におれると窓の外にはのどかな田園風景が広がり、
なぜか不思議に故郷に帰って来た気持ちになる。  甲津畑の集落を抜け、親切なおじさんに教えて頂いた
登山口への林道を走り、8時10分道路沿いのスペースに車を止める。
駐車スペースは5台程の車が止められる広さがあり、今日は先着の車が1台ポツリと止まっているだけである。
いそいそと支度をし、8時20分まだ見ぬ雨乞の頂に向けて一歩を踏み出す。
はじめは緩やかな傾斜の林道をひたすら歩く、しばらくすると道はアスファルトから砂利に変わり、隠れ岩の標識を過ぎたあたりから
左下を流れる渓谷の美しさが目に入ってくる。さらに林道を進むと杉林の中にひっそりと建つ桜地蔵に到着し、登山の安全を手を合わせて祈る。
桜地蔵を過ぎてまもなく渋川にかかる鉄製の橋を渡ると道は徐に傾斜を増してくるが、息切れを起こす激しい登りはなく快適なトレッキングが続く。
沢沿いの道を歩き木製の橋を二つ程渡るとやがてつるべ谷との出合いに到着し、ここで水分補充の休憩を取る。
地図で確認するとここから大峠を経て、清水の頭経由で雨乞山頂へも道が出ているのであるが、下りに利用することにし杉峠方面に足を向ける
長い林道歩きからはじまる ひっそりと立つ桜地蔵 渋川に掛かる鉄の橋 ツルベ谷出合い
つるべ谷出合いからしばらく進み蓮如聖人ゆかりの地を過ぎると市の天然記念物に指定されているブナやナラの古木が美しい
シデの並木道と名づけられ場所に到着する。300m程の間であるが露岩と古木のマッチングが見事で古代にタイムスリップしたのではと
錯覚してしましそうであり新緑の季節には再び訪れて見たいと思う場所でもある。
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何度も古木を振り返りながら足をすすて一反ぼぷそうという扇を広げたような大木の横を通り過ぎ、笹の目立つ斜面をジグザグに登り切って
武平峠からの合流点杉峠へと到着する。4月に入っても滋賀側から武平峠へは工事の影響で通行止めが続いており甲津畑から雨乞はきついなと
思っていたのであるが整備の行き届いた登山道のおかげで予定よりも案外早く杉峠に着き、杉の下でちょっとばかし余裕の休憩をとる。
                                
一反ぼうそうの大木 武平峠からの道と合流の杉峠 杉が印象的な明るい峠
峠からは潅木と草付きの急な斜面を一気に登ると眼の目に東雨乞岳の見事な笹尾根が姿を現し、雨乞本峰に向けてなだらかな曲線が美しい。
雨乞岳に向けての稜線歩きは気持ちが良く、途中にある大きな岩のオブジェからは展望も大きく開けちょこっと寄り道休憩を取ってしまう。
山頂が近づくにつれて笹は背丈を上回るようになり、笹のトンネルをくぐるようにして1238mの鈴鹿第二のピークに飛び出す。
東雨乞の見事な笹の稜線 岩のオブジェと山頂への道
東雨乞の向こうに御在所岳が 山頂に向けて続く笹の道 山頂手前の笹道
雨乞山頂は、同じ鈴鹿でも露岩が張り出した御池岳や藤原岳とは異なり笹の中にぽっかりとした空間を持ちやさしい表情をしている。
本来ゴツゴツした山や頂が好きな山休であるが、この頂は女性的な雰囲気と山名の影響かなにか癒されるものを感じてしまったようである。
かすかにセブンマウウテンの7の文字の残る山頂標識の下で鎌や御在所の展望を楽しみながらラーメンを食べのんびりとした時間を過ごす。
かすかに7マウンテンの文字が残る標識が立つ山頂 東雨乞岳に続く笹道
山頂より御在所と鎌ヶ岳
南雨乞岳には鎌を左に見ながら笹原をしばらく歩くのであるが、まだあまり人が通っていないのであろう道がわかりにくく
笹の少し窪んだところを目印に前方と足元に注意しながら進む。
7、8分程で南雨乞岳の小さなピークに到着し、このピークで一旦稜線に別れを告げ樹林の中を清水の頭へと下ってゆく。
この下りは道が少々荒れておりテープマークをしっかりチェックして通過すると、再び眼の前に清水の頭に向けて見事な笹原が広がり、
清水の頭の向こうに綿向山がデーンそびえるすばらしい展望に出合う。  山頂付近の笹原と異なり膝くらいまでしか背丈がなく歩き易く、
綿向山を見ながらあたらしく友人になった二代目アルペンクルーザーが気持ちよさそうに足を運んでくれる。
笹原のいたるところには小さく元気にフデリンドウも顔を見せ春の日差しを楽しんでいるようである。
清水の頭から振り返ると今まで歩いてきた雨乞山頂からの稜線が登山案内本そのまま姿でなんとも言えずすばらしい。
                              
南雨乞へ下る笹の道 清水の頭に続く笹原 清水の頭から雨乞岳を望む フデリンドウ
さあいよいよ下山! 
清水の頭から大峠に向けて杉の中を下りはじめるとテープマークを見失い、元に戻り落葉樹と杉の境にかすかなテープマークを見つけて仕切り
なおしの下山を始める。落葉樹の森は日差しを受けて明るく気分よく歩けるのであるが、何処も同じように見えまだあまり人が入っていないのか、
落葉に消されて踏跡がほとんど無く、テープも分かりにくい。 歩きやすさに任せてどんどん下ってしまうといつの間にか踏み跡を見失い、
これは迷ったなあと思いながら地図と方向を確かめ!確かめ!奥の細谷と思われる枯れた沢を何度も転びながら下る。
道無き枯れ沢を必死で下ってゆくと古い小さな石垣を見つけ、ああここにも人が入った跡があるとやっと一息、しばらく歩いて朝の登山道に合流し、
つるべ谷出合まで下ってほっと一息の休憩を取る。
少しの時間ではあるが道に迷う失態にまだまだ修行が足りないぞと自分をしかりつつ、焦らなかった自分を少しだけ褒め甲津畑に向けて林道を下る。