2日目の山行日記

 槍山荘(6:40)→大喰岳(7:00 7:20)→中岳(7:45 7:50)→南岳(8:30 8:50)→南岳小屋(9:00 10:10)
→南岳新道→槍平小屋(12:30)→新穂高温泉


翌朝目を覚ますと昨日に負けず劣らずのすばらいい天気で雲海から突き出た常念の遥かかなたが赤くそまりかけており朝ご飯を急いで済まし、
テラスよりお日様が昇るのを待つ。雲海がさらに赤く染まり、八ヶ岳と南アルプスの間より突然光が矢のように伸びてご来光のはじまりである。
老いも若きもただご来光を見つめるのみで自然に溶け込んでいるかのように静かに時間が流れてゆき
なんとも言えないすばらいい空間を作り出している。  ああ山っていいな・・・!
                          


槍山荘を6時40分に出発し、まず飛騨のっこしへ一旦下りザレとガレの交じり合った大喰岳への少しきつめの登りを一気に頂稜まで登る。
山頂は二重山稜になっており左手に進むと頂上標識が建っているのであるが少しわかり難く頂きを確認せず通過する人もいそうである。

十数年槍穂高に通っているのであるが、この頂きを踏むのは初めてでなんとなくそわそわした気持ちで山頂に立つ。ここからの展望もすばらしく、
槍が見事な姿を見せてくれ大喰岳の標識を仲間に加え穂先を従えてをポーズを作ってみる。…ウム最高の気分!

北アルプスの山々を眺めながら 何時間もこの場所にいたい気持ちを押さえて、中岳へと向かう。

大喰岳より一旦コルに下り、再びガレの道を少し登り返し垂直のはしごを通過すると今回3つ目の3000m峰となる中岳山頂である、頂きはこれといった
特徴は無いが、遠くから眺めると台形に見える面白い山容で槍穂高を縦走する人には貴重な3000m峰であり
私「山の休日」こと老兵にとっても最後に
残っていた槍穂高の3000mの頂であり万感の思いを込めて足跡を残す。

中岳からは右斜面を(左斜面は地震で崩壊し通行止め)下り、大きなゴロゴロの石で埋まった鞍部に降りて南岳の穏やかな稜線に入って行く。
高い空の下さわやかな風を受けての稜線歩きは気持ちよく、足も軽快に動き途中にあるちょっとした岩場と鎖場を抜けていくと天狗原への分岐に着く。

ここから氷河公園に下る道があり、槍の帰りに利用するひとも結構多く、
上部にある鎖場とはしごを慎重に下れば大自然の作るすばらしい庭園を見る
ことが出来る
          
大鋏岳からの下り 中岳直下のはしご 中岳からの縦走路 南岳への道

休憩されていたご夫婦の方と山の会話を楽しんだ後、稜線をさらに10分程進みザレ場の斜面をひと登りして南岳山頂の標識と出合う。
南岳は今回で5度目の通過となるが、過去4回はガスと雨の中で全く展望がなく何処にるのかもわからない状態だったので今回はあらためて
その展望の良さに感動すると共にネットの友人k2さんに頂いた南岳からのパノラマ写真に会えたことをうれしく思う。


一晩ぐっすり眠り好きな稜線歩きで20歳程気持ちだけ若返ったにわか健脚の私こと「山の休日」についてくるのがきつそうなミーとマンさん、ノムさん
を思いパノラマ展望を楽しみながら休憩を取る。…実際は私自身がきついのであるが!見栄を張る。この見栄が2日後の筋肉通を発生させるのであるが!


山頂からはザレ道を5分程下ると槍穂高のベースにしているお気に入りの定宿南岳小屋に着き、今年3度目の挨拶をリーダーと交し、
ザックを小屋前にプールさせて頂き、大キレット、北穂の展望台獅子鼻に向かう。足元がスパット切れ落ちた獅子鼻から眺めるキレット、滝谷は圧巻で
先端の岩に腰かけ一服しながら吸い込まれそうになる高度感と大景観を楽しむ。 
 眼下に険しく続く大キレットにはチラホラ登山者の姿も見られ、

自分の姿をだぶらしながら来年は晴れた日に渡るぞと長谷川さんと飛騨さんにそしてミーとマン氏、ノム氏にアイコンタクトをし、小屋に戻る。


大キレット カッコをつけて 今回の相棒! リーダーのSさんと

本谷に紅葉の写真を撮りに行かれるリーダーのSさんと来年も暖かいコーヒーを点ててもらうことを約束し、槍平へ向けてゴロ石の道を下りはじめる。

南岳斜面の切れ間を渡るようにかけられた丸太橋を通過しトラバース気味に下って行くと新道の表示ポールがあり、
ポールを過ぎて枝尾根に架かる梯子を登ると馬の背状の尾根にかけられた見事な木道に出合いバランスを崩さないよう左右に気をくばりながら通過する。

左後方に穂高に峰々、右前方に笠の頂、遥か下に槍平を望みながら、前回、前々回とこの道を登りに使った時はガスと強風でなにも見えず這うよう
にして通過したのを思い出す。木道を過ぎると登山道は急激な下りになるので、、救急箱の設置された平坦な場所で休憩をとり、槍山荘でご一緒だった
先行の登山者の方を交えて新道を語り合う。私こと「山の休日」のお気に入り登山道である新道をノムさん、ミーとマンさんも気にいってくれたようであり
会長としての威厳は保てたかなあと西穂の峰を眺めながら自己満足に浸る。

救急箱からは這松帯の中にはしごが連続し、一気に高度を落とす、紅葉の木々の中をジグザグに下って1枚岩の沢筋を渡ると樹林帯の中に

これでもかと言うくらいにはしごが連続する。スピードを出しすぎないように、一歩一歩慎重にっくだって行くと大きな南沢に出、斜めに横切るように
枯れた沢を渡り再び樹林帯に入り10分程下って槍平の小屋に到着する。槍平小屋からは昨日登ってきた道を下り新穂高温泉に下山する。

南岳新道上部